ポイントカードの仕組み

新規顧客の獲得や常連のお客様を増やすための方法についてお悩みではないでしょうか?SNSの普及で集客方法も多様化してきており、競争を勝ち抜くことは日に日に厳しくなっています。

新規顧客の獲得や常連のお客様を増やすための方法の一つは、ポイントカードシステムを導入することです。今回は、ポイントカード導入によってお客様満足度を高め、リピーターになってもらう仕組みと、なぜポイントカードの導入が重要なのかについて詳しく解説します。

ポイントカードの仕組みとは?

ポイントカードは、消費者がお店で商品を購入した際に、購入金額に応じてポイントを獲得し、貯まったポイントを使って買い物ができるという仕組みです。ポイントカードは「共通ポイントカード」と「自社ポイントカード」の2種類に分けることができます。

共通ポイントカードの仕組み

共通ポイントカードは、加盟店として登録している店舗であれば、どこで買い物をしてもポイントを貯めることができるポイントカードです。

共通ポイントカードとして代表的なのは、Tポイントカード、楽天ポイントカード、dポイントカードなどがあります。

消費者にとっては、1枚ポイントカードを発行すれば、共通ポイントに参加している店舗ならどこでも使うことができます。また、管理が容易になったり、ポイントが貯まりやすくなったりというメリットがあります。

企業にとってのメリットは、加盟店全体の顧客を囲い込めることです。新規顧客を獲得できる確率も高くなります。

会員数が圧倒的に多く、マーケティングに活用できるデータの数が多いのがメリットですが、共通ポイント事業者の制約があり、各企業は制約に従わなければならない場合があるため、独自に集客や宣伝を行うことができないことがデメリットです。

自社ポイントカードの仕組み

自社ポイントカードは、同じグループ企業や特定の店舗のみで使用できるポイントカードです。

企業ごとにポイントカードが異なるので、利便性の面では共通ポイントカードに劣ります。

共通ポイントカードに比べて囲い込みできる顧客が少ないので、蓄積できる顧客データが少ないというデメリットがありますが、自社オリジナルのキャンペーンを出せたり、独自のマーケティング戦略を自由に遂行できたりといったメリットがあります。

ポイントカードはアプリが主流

ポイントカードには、次の3つのタイプがあります。

ポイントカードの種類

・紙のポイントカード
・磁気のポイントカード
・ポイントカードアプリ

これまでは、ポイントカードというと紙のスタンプカードや磁気カードがほとんどでしたが、近年「ポイントカードアプリ」を採用する企業が増えています。

ポイントカードアプリとは?

ポイントカードアプリとは、スマートフォン上にポイントカードの機能が入ったバーコードやQRコードが表示されるアプリのことです。スマートフォンの普及で、紙や磁気のポイントカードをアプリに統合する企業が増えています。

紙や磁気は発行するのにコストがかかるうえ、キャッシュレス決済の普及で、財布を持ち歩かない人が増えたことにより、ポイントカードアプリを利用したいというニーズが増加しています。

ポイントカードアプリのメリット

消費者側からみたメリットは次の2点です。

消費者のメリット

・カード自体を持たなくても良い
・会員登録がスムーズ

カード自体を持ち歩かなくても良いので、財布がかさばらず、キャッシュレス決済であれば財布自体を持ち歩かなくても良くなります。また、ポイントカードアプリであれば、会員登録をQRコードで簡単に行うことができ、店頭で書類に住所や名前を手書きで書く手間が省けます。

また、企業側からみたメリットは下記の2点です。

企業のメリット

・顧客獲得しやすい
・来店促進効果

会員登録がスムーズなので、消費者が気軽に登録してくれ顧客獲得しやすくなります。

また、個人個人の特徴に合ったお知らせやクーポンをメルマガやアプリのお知らせで配信することが可能になり、消費者の来店を促す効果もあります。紙やプラスチックのカードで実現できないポイントカードアプリの大きなメリットです。

ポイントカード導入のメリット

ポイントカードは、消費者にとってお得でうれしい仕組みですが、実は企業にとってもメリットがあり、現在ほとんどの企業でポイントカードが導入されています。ここでは、企業がポイントカードを導入するメリットを4つ解説します。

ポイントカード導入のメリット

・顧客情報を取得できる
・来店を促進できる
・競合他社との差別化ができる

顧客情報を取得できる

消費者が店舗でポイントカードを使用すると、消費者の年齢や性別、購入した時間や商品の種類、金額などの情報が企業のデータベースに登録され蓄積されます。企業は、蓄積されたデータを活用し、顧客へのサービス向上に役立てると共に売り上げアップの戦略を立てることができます。

来店を促進できる

ポイントカード導入には、消費者の来店を促進する効果もあります。ポイントがつくことで、消費者はお得に買い物ができるからです。

スーパーやドラッグストアなどでよく実施されている「ポイントが5倍デー」の日はお店が混んでいることが多いですよね。

さらに、お得という理由で消費者が予定外の買い物をしてしまう可能性も高くなり、店舗にとっては、売り上げが上がるうれしい効果も期待できます。

競合他社との差別化ができる

ポイントカードを利用すれば、競合他者との差別化をすることが可能です。

ただし、ポイントが貯まるだけのシンプルなものでは他社との差別化は難しくなっています。なぜなら、ポイントカードシステムは今ほとんどの企業で導入がされているためです。

オリジナルな特典や仕組みを十分に検討し、顧客を飽きさせないようファンになってもらうことが重要です。たとえば、下記のような仕組みを導入することもできます。

  • アプリを起動するだけで1ポイント貯まる
  • レジ袋持参でポイントプレゼント
  • ポイントランク制度の導入

ポイントカード導入のデメリット

ポイントカード導入には、次のデメリットがあります。それぞれ具体的に解説します。

ポイントカード導入のデメリット

・ポイントカード付与分の費用負担
・システム導入のコスト
・従業員の業務量増加

ポイント付与分の費用負担

ポイントカード利用で、消費者に付与されたポイント分の負担は、基本的に店舗負担になる仕組みです。共通ポイントカードの場合も同様ですが、消費者へのポイント付与分が加盟料として加盟店事業者に徴収される仕組みです。

また、共通ポイントの場合は、自社で消費者に付与したポイントが他の企業の店舗で使われるというリスクもあります。

システム導入のコスト

ポイントカード導入にはコストがかかります。ポイントカードを使用することで、顧客情報や購入情報がデータとして蓄積・管理され、マーケティングに活用できるようなシステム構築と仕組みが必要だからです。

かかるコストは開発手法によって異なるので、メリットやデメリットを確認した上で導入の検討が必要です。

従業員の業務量増加

ポイントカードを導入することにより、店舗の従業員の業務が増えることが想定されます。

なぜなら、会計時にポイントカードをスキャンしたり、お客様に会員登録の宣伝をしたりといった仕事が必要になるためです。

特に、デジタル慣れしていないお客様への対応は時間がかかることが予想されます。ポイントカード導入に合わせて、店舗の運営についても考慮が必要です。

ポイントカード導入の注意点

上述したように、ポイントカードを導入することで、消費者にも企業にもたくさんのメリットがありますが、期待していた利益が生み出せないために、導入をやめる企業もあります。ポイントカードを挿入し、企業も消費者もメリットを享受するためには導入前にじっくりと計画を立てることが重要です。

ここではポイントカード導入の注意点を3つ解説します。

注意点

・顧客獲得の仕組み作りが必要
・顧客満足度を上げる方法の検討
・顧客データの活用は必須

顧客獲得の仕組み作りが必要

ポイントカード導入で新規顧客獲得や常連客の増加を実現するためには、顧客獲得のための仕組み作りをすることが必要です。その理由は、まずは来店してもらい、ポイントカード会員になってもらわないとポイントカード導入の意味がなくなるからです。

具体的には、顧客がポイントカード会員の登録をしたくなるような方法の検討や、再度来店してもらえるような仕組みを計画するといったことが挙げられます。

顧客満足度を上げる方法の検討

ポイントカード導入前に、顧客満足度を上げる方法の検討をしておくことが大切です。なぜなら、新規で獲得した顧客にリピーターになってもらえれば、さらなる顧客の囲い込みが期待できるからです。

たとえば、以下のような方法があります。

  • ポイントに応じて商品をプレゼント
  • 顧客データからカスタマイズされたクーポンが配信される
  • お誕生日クーポン

2つ目の顧客データからカスタマイズされたクーポンというのは、たとえばよく商品Aを購入するお客様には、商品Aと一緒に購入されることが多い商品Bのレシートクーポンやアプリのクーポンを発行するといったことです。

既存のお客様の顧客満足度が向上することで、口コミで評判が広がり、新規顧客の獲得にもつながる可能性があります。顧客満足度を上げる方法の検討は必須です。

顧客データの活用は必須

 ポイントカードを導入したら、顧客データの活用は必須です。データを持っているだけでは何の意味もないからです。たとえば、「いつ、誰が、何を、どのような決済方法で、何個購入した」といった情報は、お客様の購入傾向を理解するのに役立ち、そのお客様に合わせた情報を配信することで再来店してもらう確率を向上させることができます。

ポイントカードから取得したデータを分析して活用する仕組みを、ポイントカードシステムの導入前に検討しておくことは必須です。

ポイントカードシステムの開発方法

ポイントカード導入のためのシステム開発方法には「スクラッチ開発」と「パッケージ開発」の2種類があります。

スクラッチ開発

スクラッチ開発とは、一から要件定義、設計、開発、リリースまで全て自社で行い、オリジナルのシステムを開発することです。

システムの詳細な要件まで自分達の自由にカスタマイズできるメリットがありますが、

パッケージ開発に比べてコストが高くなり、開発期間も長くなる傾向にあります。

パッケージ開発

パッケージ開発は、システムの雛形がすでに存在していて、そのまま使用したり、雛形をベースにカスタマイズしたりすることができる開発方法です。スクラッチ開発に比べてオリジナリティーは出しにくいですが、安価で開発期間も短いというメリットがあります。

まとめ

ポイントカードの仕組みや導入のメリットについて解説しました。

消費者にとって、ポイントカードの一番のメリットはお得に買い物ができることです。最近ではポイントカードアプリとしてスマートフォンで利用することができるようになり、利便性も向上しています。

企業は、ポイントカード利用から得た顧客データを管理、分析することで売り上げアップのために活用しています。その情報はお客様1人1人に合ったサービスを提供するための情報源となり、顧客満足度向上にも繋がっているのです。

これからは、ほとんどのポイントカードがアプリに統合され、顧客データはアナログ管理からデジタル管理に変わっていきます。しっかりと計画を立て、自社の課題や顧客のニーズを分析し、競合に勝てるポイントカードシステムの開発をしていきましょう。

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