回数券アプリ

回数券はアプリで電子化することで、発行や管理にかかる手間を削減しつつ、効果的に再来店を促進できます。とはいえ、電子化を進めるにあたっては、メリット・デメリットをしっかり把握し、自社に合った形で導入したいですよね。

そこで今回は、回数券を電子化する方法やメリット・デメリット、アプリを使った電子化に役立つ主なサービスなどについて解説します。

回数券とは?

回数券とは、入場や飲食などの券を何枚か一綴りにしたもののことです。「10枚の代金で12枚購入できる」など、料金が割引になることが多く、お店をよく利用する顧客に対して行う割引サービスの一つです。

回数券は、公共交通機関をはじめ、飲食店や小売店、サロン、レジャー施設などで導入されています。

そもそも回数券のメリットとは?

回数券は、お店側と顧客側の双方にメリットをもたらす割引サービスです。ここでは、紙・デジタルの媒体を問わず、回数券を発行することで得られる主なメリットを紹介しましょう。

回数券のメリット

・先に売上金が手に入る
・再来店を促進できる
・顧客(特にリピーター)の満足度向上

回数券の大きなメリットとして、サービス提供前に売上金を確保できることが挙げられます。先にまとまった売上金が手に入るため、経営が安定します。回数券は通常料金よりも安く設定する必要がありますが、先に売上金を確保できることは大きなメリットです。

また、回数券を購入してもらうことで、再来店のきっかけを作ることができます。回数券を購入した顧客は「回数券を使い切らないと損」と思いますから、来店頻度の向上につながります。

上のメリットに関連して、回数券はリピーターがお得にお店を利用できる仕組みであるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

回数券をアプリで電子化するメリット

スマホで回数券アプリ

これまで回数券といえば紙媒体が主流でしたが、近年ではデジタル化が進みつつあります。スマホが幅広く普及し、キャッシュレス決済の利用者が増えた今、回数券もアプリによる電子化が便利です。

ここでは、回数券をアプリで電子化する主なメリットを4つ紹介します。

電子化するメリット

・印刷代や発行コストを削減できる
・管理業務・オペレーションを効率化できる
・顧客の利便性が向上する
・回数券以外の機能もアプリに集約できる

印刷代や発行コストを削減できる

回数券を電子化することで、紙の回数券の印刷や発行にかかっていたコストを削減することができます。

た、紙の回数券の場合、管理する場所や管理の手間といった間接的なコストもかかります。

そこでアプリで電子化すれば、印刷や発行、管理にかかるコストを削減できます。ただし、アプリの作成やアプリサービスの利用には料金がかかるため、「費用に見合った効果が得られるか」「紙と比べてどのくらいコストに差が出るか」は見極める必要があります。

管理業務・オペレーションの効率化できる

回数券をデジタル化することで、管理業務やオペレーションを効率化できるというメリットがあります。

デジタル発行なら「誰がどの回数券を購入し、何枚利用してくれているか」といったデータを自動で収集できるので、管理の手間がかかりません。顧客の利用データをもとに、回数券の内容を改善することも容易になります。

また、回数券をアプリやブラウザ上で購入できるようにしておけば、顧客はスマホで事前に決済を済ませられるため、レジでの会計業務や受け渡しの手間も省けます。回数券をデジタル化することにより、煩雑になりがちな管理業務やオペレーションの効率化、ひいては生産性の向上が期待できます。

顧客の利便性が向上する

回数券をアプリで電子化することで、顧客の利便性も向上します。

アプリなら、紙の回数券のように財布などに入れて持ち歩く必要がありません。スマホを持っていればいつでも回数券を使うことができるため、管理・利用がしやすくなります。

また、回数券を紛失してしまったり、持参するのを忘れてしまったりすることも防げるため、店舗にとっても「販売機会の損失を防げる」というメリットがあります。

回数券以外の機能もアプリに集約できる

店舗アプリを作成する場合、回数券の他にもさまざまな集客機能をアプリに集約できることもメリットです。

店舗アプリとは、飲食店や小売店などが集客向けに導入するアプリのことで、回数券の他にもポイントカードや会員証、クーポン、プッシュ通知、モバイルオーダーなど、さまざまな機能を搭載することができます。

回数券の利用やポイント収集、事前決済などをアプリ一つで完結でき便利な上、スムーズな会計を実現することが可能です。「回数券の他にも、さまざまな集客施策をアプリで行いたい」という場合は、店舗アプリの作成を検討すると良いでしょう。

回数券をアプリで電子化するデメリット

回数券をアプリで電子化することで考えられるデメリットも少なからず存在します。ここでは、回数券をアプリ化するデメリットを2つ紹介しましょう。

電子化するデメリット

・スマホへの依存度が大きい
・不安や面倒に感じる顧客もいる

スマホへの依存度が大きい

アプリの回数券はスマホで使えて便利ですが、裏を返せば「スマホがないと使えない」というデメリットがあります。スマホへの依存度が大きいため、スマホやアプリに不具合があったり通信環境が悪かったりすると、利用できなくなる可能性があります。

回数券が利用できないことを顧客が不満に感じ、トラブルに発展することも十分に考えられます。スマホやアプリの不具合で回数券が使えない際の対応を、あらかじめ店舗側で考えておく必要があるでしょう。

不安や面倒に感じる顧客もいる

顧客の中には、アプリをダウンロードすることや、お金を払って買った回数券をスマホで管理することに、不安や抵抗を感じる人もいます。

たとえば、スマホを使い慣れていない高齢層の場合、アプリの操作が難しく感じてしまう可能性もあります。回数券をアプリ化することで利用者が減ってしまっては本末転倒ですので、自店舗の顧客層に合わせて導入を判断する必要があるでしょう。

また、アプリに不安を感じる顧客に対してスタッフが説明を行うなど、安心して利用してもらうためのフォロー体制を整えることも有効です。

回数券をアプリで電子化する方法

回数券はどうやってアプリで電子化することができるのでしょうか?回数券をアプリで電子化する方法は、大きく分けて2つあります。

電子化する方法

・回数券に対応した店舗アプリを作成する
・アプリ対応の回数券サービスを利用する

回数券に対応した店舗アプリを作成する

一つ目の方法は、回数券の機能が備わった店舗アプリを作成する方法です。

そもそも店舗アプリは、自社開発するとなると多大な費用と労力がかかるため、「GMOおみせアプリ」や「アプリンク」などの店舗アプリ作成サービスを利用する方法が一般的です。

店舗アプリ作成サービスを利用する場合、開発済みの機能を組み合わせてアプリを作成することができます。この際、「回数券」の機能があるサービスを選ぶことで、回数券に対応した自社独自の店舗アプリを作成することが可能です。

店舗アプリで回数券をデジタル化するメリットは、回数券以外にもさまざまな便利機能を利用できることです。ポイントカード機能やクーポン機能を使って集客したり、プッシュ通知で情報を配信したりすることができます。

アプリ対応の回数券サービスを利用する

2つ目の方法は、回数券サービスを利用する方法です。

各社が提供する回数券サービスのアプリやウェブアプリを活用すれば、回数券をアプリ上で作成・販売・管理することができます。店舗アプリを作成するのと比べて、費用を抑えて回数券を導入できるのがメリットです。

たとえば、回数券の発行・管理に特化したアプリ対応サービスには「Shop-Ticket」や「MATAKUL」などがあります。回数券の主要サービスについて、詳しくは次章で紹介しています。

回数券をアプリで電子化できる主なサービス

ここでは、回数券をアプリで電子化できる主なサービスを4つ紹介します。

GMOおみせアプリ

GMOおみせアプリ

GMOおみせアプリは、GMOデジタルラボ株式会社が提供する自社アプリ作成サービスです。

プッシュ通知やクーポン配信などの来店促進に加え、回数券チケットやスタンプ、ポイントなどのリピート促進・つながり強化など、さまざまな機能を搭載した店舗アプリを作成することができます。

「基本仕様+セミオーダー」のパッケージは、低価格・最短40日でアプリ公開を実現できることから高い人気を誇ります。料金プランは、Lightプランで月額22,000円、Standardプランで月額55,000円です。初期費用については、見積もりが必要です。

公式サイト

アプリンク

アプリンク

アプリンクは、株式会社USENが提供する店舗アプリ作成サービスです。お店のニーズに合わせて、高品質・低コストでお店のアプリを簡単に作成できます。

ポイントカードやプッシュ通知、オンライン決済、チケット発行など、さまざまな機能を自由に組み合わせて、独自の店舗アプリを作成することが可能です。チケット発行機能では、1回券・回数券・定期券(サブスク)をオンラインで発行することができます。

チケット発行機能は、あらゆる機能を完備した「スタンダードプラン(月額19,800円)」、またはチケット発行機能に特化した「ライトプラン デジタルチケット(月額6,000円)」で利用が可能です。

公式サイト

Shop-Ticket

Shop-Ticket

Shop-Ticketは、株式会社WEB-WINGが提供する店舗アプリです。飲食店やサロン、スポーツジムなどのチケットや回数券、商品券の作成・販売に特化しています。

管理画面でチケット名と販売金額を入力するだけで、簡単に自社サービスの回数券販売を始めることができます。集計機能では、発行済みのチケットや回数券を簡単に管理でき、オペレーションの効率化にもつながります。

また、Shop-Ticketはブラウザでアプリのように使えるサービスであるため、顧客にアプリをインストールしてもらう手間もかかりません。オンライン完結のオンラインプランは月額8,800円、初期設定費用33,000円で利用可能です。

公式サイト

MATAKUL

MATAKUL

MATAKULは、PEPELABO.LLCが運営する回数券アプリです。初期費用・登録料・設置料が完全無料なので、お店の回数券を手軽にリリースすることができます。

カフェ・レストランや美容サロン、トレーニングジムなど、幅広い業種に対応しており、それぞれの業種に合わせた回数券を作成することが可能です。回数券利用時に登録された顧客情報と利用履歴はスマホから一元管理することができる他、メール配信機能を使えば顧客とのつながりを強化することもできます。

初期費用・月額費用ともに無料のFREEプランは、登録人数5名まで利用することができます。「まずは試しに回数券を発行してみたい」という方にピッタリです。

公式サイト

アプリで電子化した回数券利用を促すポイント

回数券をアプリで電子化するなら、できるだけ多くのお客さんに利用してもらいたいですよね。ここでは回数券の利用を促すポイントを3つお伝えします。

ポイント

・回数券の購入に魅力的な特典をつける
・ムリのない有効期限を設定する
・顧客情報を分析し改善につなげる

回数券の購入に魅力的な特典をつける

回数券を割引価格で提供することに加えて、魅力的な特典をつけると購入してもらいやすくなります。

たとえば、ラーメン6杯の回数券を5杯分の値段で販売するなら、そこにさらにトッピング1品無料券を2枚つけます。すると、回数券のお得感をより強調することができ、購入を悩んでいる人の背中を押せるかもしれません。

また、利用回数が多い回数券ほどより魅力的な特典をつけることで、より多くの売上金が手に入り、安定した経営につなげることができます。ただし、回数券の料金を安くし過ぎると経営に支障が出ることもあるため注意が必要です。

ムリのない有効期限を設定する

回数券は、有効期限を設けることで利用頻度の向上に役立ちます。「期限内に使い切らないと損」という心理から、お店に足を運ぶきっかけを作りやすいためです。

ただし、有効期限をあまりにも短く設定すると、「期限内に使い切るのは難しそう」と判断され、購入してもらえない可能性があります。そのため、既存顧客の来店頻度をもとに、ムリなく使い切れる程度の有効期限を設定するようにしましょう。

回数券を使い切ってもらえなくてもお店に負担はありませんが、次回の購入につなげるためにはお客さんが喜ぶサービスを追求することが大切です。

顧客情報を分析し改善につなげる

回数券をアプリで発行すると、顧客情報や回数券の利用状況を管理画面で確認できるようになります。

回数券は販売して終了ではなく、顧客情報の収集・分析を行い、改善につなげていくことが大切です。たとえば、期限内に回数券を使い切れていない人が多いなら、有効期限をもう少し長く設定する必要があるでしょう。

このように、回数券の利用状況を分析することで、改善点や次回以降の回数券の内容や特典のヒントが見えてきます。分析をもとに改善を繰り返し、回数券の利用者数を増やしていきましょう。

まとめ

回数券を電子化する方法やメリット・デメリット、アプリで電子化するのに役立つ主なサービスなどを紹介しました。

回数券はアプリを使ってデジタル化することで、コスト削減やオペレーションの効率化など、さまざまなメリットが期待できます。また、アプリは顧客側の利便性が高いことに加え、プッシュ通知やポイントカードなどの集客機能も集約できて便利です。ぜひこれを機に、回数券のデジタル化を検討してみてはいかがでしょうか?

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