常連客が来てくれなくなったことに悩む飲食店経営者は珍しくありません。来なくなった理由を本人に聞くわけもいかず、どう対処すればよいかわからなくなってしまうケースも多々あります。
本記事では、常連客が来なくなった主な要因について解説します。
お店側がやるべき対処や客離れを防ぐ方法、そのための便利なツールなども紹介していくので、ぜひとも参考にしてください。
常連客が来なくなった要因【お客様都合編】
常連客が来なくなった要因としては、お客様の個人的な都合という場合もあります。
たとえば、転職や転居といった環境の変化で通いづらくなったというパターンがあります。他にも経済的な理由で利用が難しくなったり、味の好みが変わってしまったり、といった理由があげられます。
こういった個人的な都合や事情が要因で来なくなった場合、お店側で改善することは難しいです。
しかし逆に考えれば、引っ越しや昇給などがきっかけで来てくれるお客様もいるはずなので、このような流れがあることについては割り切って受け入れることをおすすめします。
常連客が来なくなった要因【お店側の問題編】
常連客が来なくなった要因としては、当然お店側に問題がある場合もあります。本項目ではおもな要因を4つご紹介しますので、しっかりと参考にしてください。
1. 料金やメニュー、味が変わった
料金やメニューを変えてしまうのも、常連客が離れる要因の一つです。
当然、店としても食材費の高騰や方針の変更など、変えるには相応の理由があります。
経済的な理由で離れるお客様に対処することは難しいでしょう。しかし、常連のお客様には「こういった理由で料金・メニューを変えることになりました」と一言伝えると納得していただけるかもしれません。
2. 接客態度で不快な思いをした
接客に対する違和感や不快感が理由で、常連客が離れてしまうことはよくあります。親しき仲にも礼儀ありというように、顔なじみのお客様であっても配慮を忘れてはいけません。
また、お客様に不快な思いをさせてしまったのが大勢いるスタッフの中の一人であっても、お店全体のイメージ悪化につながるケースもあります。
朝礼や研修などで、接客方法やお客様の情報を共有するなど店全体の接客を向上させる対策が必要です。
店内での接客だけでなく、予約に関するトラブルもあるのでこちらも注意が必要です。
関連記事：ダブルブッキングの対処法や防止方法｜謝罪電話・メール例文つき
3. 店長や店員が入れ替わった
店長や店員の入れ替わりも、常連客が離れる要因の一つです。店を経営する上でスタッフの入れ替わりは避けられないことですが、変更があった後も円滑に運営を続けるための対策は必要です。
たとえば、常連客に対して事前に情報をまとめて共有し、スタッフが入れ替わっても同じレベルの接客・サービスを提供できるようにしましょう。
4. 居心地が悪くなった
お店の居心地が悪くなることも、常連客が離れる要因になり得ます。
たとえば、静かで落ち着いた雰囲気を好んで利用していた客が、騒がしい団体客の頻繁な来店により利用しづらくなったケースなどです。
店全体の雰囲気は店側でコントロールできる範囲に限りがありますが、居心地の良さには常に注意を払いましょう。
常連客が来なくなったときにやるべきこと
常連客が来なくなった際には、具体的な対策が求められます。この項目では、客離れに直面している方が実践すべき対策を3つご紹介します。
1. 最後に来店した際の問題点を洗い出す
常連客が最後に来店した際の状況をスタッフ全体で共有し、問題点を洗い出しましょう。来店した時間帯、混雑状況、注文内容、来店前後での変化、接客したスタッフなどの情報が有効です。
このプロセスを通じて、接客、料理、価格、メニューの変更点など、他のお客様のためにも改善すべき点が見つかるかもしれません。
その結果を踏まえ、接客の問題点改善や価格・メニューの変更に関する事前の告知など、適切な対策を行いましょう。
2. 常連客への情報やメッセージの発信
連絡先やSNSのアカウントを通じて、直接メッセージを送ることも有効です。
ただし、来なくなった理由を直接尋ねることは避け、新メニューやイベントの告知などポジティブな内容を伝えましょう。
「ご無沙汰しております」といった挨拶を添え、「お待ちしております」というメッセージで再来店を促しましょう。
3. アンケートを通じた常連客の意見収集
常連客の視点から見たお店の問題点を知る最良の方法は、彼ら自身に聞くことです。直接尋ねることが難しい場合、メールやLINEなどを通じてアンケートを実施し、意見を収集しましょう。
また、この項目であげた対策を効率的に実行するために、便利なツールの活用も検討してみてください。
関連記事：【2023】飲食店で「常連客」を増やす方法は？活用したいツール・サービスなどを徹底解説
客離れの回避・常連客を増やす方法
当然のことではありますが、お店のためには客離れを回避し、常連客を増やすことが大切です。具体的な方法を5つご紹介するので、ぜひとも参考にし、実践してください。
1. 顧客とのつながりを作る
SNSやメルマガ、DMなどを利用して、顧客とつながりを作るのが手段の一つです。
SNSを利用するのであれば、メインの利用者層の年齢などを考慮しましょう。
主なSNSはTwitterやInstagram、Facebook、LINE公式アカウントなどですが、どれも活用している層は異なります。
メルマガは登録した人だけが見られるため特別感があり、お客様にも親近感を抱いてもらいやすくなります。その反面、たとえ登録した人であっても読まずに捨てられることも珍しくありません。
DMは、実際に手に取って読む分記憶に残りやすいというメリットがあります。しかし、準備の手間もコストもネットで完結するものより高くなってしまいます。
メリット・デメリットを比べて、お店に合った方法を選びましょう。
また、グルメサイトを利用するという手もありますが、昨今では消費者のグルメサイト離れが進んでいることに注意が必要です。
関連記事：グルメサイト離れが加速中？集客率を上げるコツやおすすめツールを紹介
2. 居心地のよいお店にする
お店の居心地をよくすることも、常連客を増やすためには重要です。
騒がしい団体客が来ても影響が出ないよう客席同士を離したり、パーティションで区切ったりと店内レイアウトを工夫しましょう。
それだけでは対応できないような迷惑行為を働くお客様に対しては、注意する決まりを設けるなどの対応を考えて、居心地のよい空間を維持できるようにしてください。
3. 丁寧なコミュニケーションを取る
常連客と積極的に会話を交わすことで、居心地のよさを実感してもらい再来店のきっかけを作ることができます。ただし、付き合いが長くても店員としての立場を弁え、失礼な態度をとらないよう注意が必要です。
お客様に対するコミュニケーションは、相手が何を望んでいるのか考えながら行うことが大切です。当然のことながら、人や状況によっては会話を望まないこともあるので、その点も含めて相手の気持ちを考えましょう。
4. 新しいサービスを模索・提供する
同じメニューが好きでリピートするお客様もいれば、目新しいものがなく飽きて足が遠のくお客様もいます。後者のお客様を逃さないため、新しいアイデアやサービスがあれば積極的に取り組むようにしましょう。
たとえば、新しい料理や特典を企画したり、モバイルオーダーといったデジタル活用で利便性を高めたり、といったアイデアはよく活用されています。
また、外国人観光客を対象にしたインバウンド集客に向けた施策も大切です。
関連記事：インバウンド集客にはMEOがおすすめ！効果的な理由と施策8選
5. ポイントやクーポンなどを提供する
お客様に定期的に来店してもらえる可能性の高い施策としては、ポイントやクーポンなどのサービスがあります。
購入やサービスの利用を少しでもお得にしたいと考える顧客心理があるため、クーポン券などを持っているお客様はリピートの可能性が高くなります。
ただし、特典の内容は自分のお店に合った、お客様にとってニーズのあるものを考える必要があります。お客様にとって、飲食店にあれば嬉しいサービスは何か考えてみてください。
常連客を増やすことで期待できる効果
常連客を増やすことは、飲食店にとって大きなメリットにつながります。
まず、定期的に来店してくれることで、継続的な利益が生まれて経営が安定化します。
また、店内に他のお客がいない店だと新規のお客様は入りづらいため、常連客が増えることは他のお客様を呼び込むことにもつながります。
他にも、常連客が自分の友人や知人に店を紹介する、いわゆる口コミによってお店の存在が広まることもあります。
口コミがきっかけで来店する人は常連客と親しい人間なので、味や店の雰囲気などもその人の好みにマッチしていることが期待できます。
ただし、口コミで訪れた店が期待外れだった場合は新規のお客様を取り逃すだけではなく、紹介した常連客からの信頼も失いかねないので、期待に沿えるよう気をつけなければなりません。
いずれにせよ、お店を経営するうえで常連客というのは非常に重要な存在です。
常連客離れの回避・新規顧客の獲得に役立つツール
常連客離れの回避や新規顧客の獲得を図るなら、ツールの活用をするのも大切です。
ポイントカードやクーポンの発行一つ取っても、必ず費用やスタッフへの負担が発生します。そういった負担を抑えて効率的にサービスを提供するには、ツールの活用が欠かせません。
ツールで提供できるサービスには、前述したポイントやクーポン以外にも、情報の発信や予約の管理などを簡単にできるものがあります。
関連記事：【2023】飲食店で「常連客」を増やす方法は？活用したいツール・サービスなどを徹底解説
また、飲食店を長く続けていれば避けて通れないのが値上げですが、客離れの原因にもなってしまいます。客離れを防ぎながら値上げをするための施策を、しっかり取る必要があります。
まとめ：常連客が来なくなった要因を把握して客離れを回避しよう
飲食店を経営するうえで、常連客の存在は無視できません。常連客が来なくなった要因を分析、把握して、客離れを回避するようにしましょう。
客離れ防止や常連客作りには、便利なツールの活用もおすすめです。
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