飲食店向け集客施策の一つに「グルメサイト」があります。大きな集客力を持ち、飲食店を探す消費者が多く利用するグルメサイトは、集客の場として最適です。
とはいえ、「どのグルメサイトを選べば良いの?」「ぐるなびと食べログで迷っている……」などとお困りの飲食店経営者の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、大手グルメサイトである「ぐるなび」と「食べログ」を徹底比較します。2つのグルメサイトの違いを比較するとともに、各サービスの利用メリット・デメリットを解説していきます。
「ぐるなび」とは
「ぐるなび」は、株式会社ぐるなびが運営するグルメサイトです。国内の4大グルメサイトの一つで、5万763店舗の登録店舗数と5,600万人の月間利用者を誇っています。
掲載できる情報量が多いことが特徴で、まるでホームページのような豪華な店舗ページを作成できます。ユーザーは地域や最寄り駅、料理のジャンル、予算などから飲食店を検索したり、飲食店を予約したりすることができます。
また、「ぐるなび」は、楽天グループ株式会社と業務提携をしており、ユーザーはぐるなび経由で予約すると楽天ポイントが貯まります。予約特典が魅力的で、予約を促しやすいことも特徴の一つです。
「食べログ」とは
「食べログ」は、株式会社カカクコムが運営する国内最大級のグルメサイトです。加盟店舗数は約82万店、月間利用者数は1億1,580万人と、主要なグルメサイトの中でも圧倒的な規模を誇ります。
「飲食店の利用者が感想を投稿するグルメサイト」として広く知られており、ユーザーから多くの口コミが寄せられています。飲食店のリアルな口コミ・評価を閲覧できることから、信頼できるお店探しサイトとして定評があります。
「ぐるなび」と「食べログ」を徹底比較
次に、「ぐるなび」と「食べログ」を比較して、共通点や違いについて詳しく解説します。
項目 | ぐるなび | 食べログ |
月間利用者数 | 5,600万人 | 1億1,580万人 |
掲載店舗数 | 5万763店舗 | 82万店舗 |
利用ユーザー層 | 30代〜40代が中心 | 全世代 |
掲載料金(月額) | ・スタートプラン:0円 ・ライト:10,000円 ・ベーシック:30,000円 | ・無料会員:0円 ・ライト:10,000円 ・ベーシック:25,000円 ・プレミアム5:50,000円 ・プレミアム10:100,000円 |
主な集客機能 | ・メディア露出 ・ポイント集客 ・コンサルティング ・ぐるなびネット予約クーポン | ・表現力アップ ・アクセスアップ ・近隣点ページバナー ・トップページバナー ・ゴールデンタイム強化 |
参照元:ぐるなび PRO
参照元:食べログ店舗会員のご案内
規模(利用者・掲載店舗数)
「ぐるなび」と「食べログ」では、利用者数と掲載店舗数における規模が異なります。利用者数と掲載店舗数では、いずれも「食べログ」のほうが多く、人気のグルメサイトであるといえます。
「食べログ」は、月間PV数も約1億3,450万PVと見てくれる人が圧倒的に多いため、集客の場として適しています。ただし、「食べログ」は掲載店舗数が圧倒的に多い分、他店との競争も激しくなります。たくさんある店舗に埋もれてしまうリスクもあり、差別化が必須です。
参照元:食べログ
利用ユーザー層
「ぐるなび」と「食べログ」では、主に利用しているユーザー層にも違いがあります。
株式会社テスティーが実施した「飲食店検索サービス」に関する調査によると、「ぐるなび」の利用者は10代で「19.0%」、20代で「40.5%」、30代で「42.6%」と年代が上がるほど利用経験率が高くなっています。
一方、「食べログ」は、10代で「59.1.3%」、20代で「61.9%」、30代で「52.6%」と20代の若者を中心に幅広い世代で利用されているというデータが出ています。
参照元:【全年代男女16,007名対象】テスティー、「飲食店検索サービス」に関する調査を実施(PR TIMES)
掲載料金
続いて、「ぐるなび」と「食べログ」を掲載料金で比較します。それぞれ料金プランの種類と利用できるサービスが異なりますので、確認しておきましょう。
「ぐるなび」の料金プランは、下記の3つです。
- スタートプラン:0円/月
- ライト:10,000円/月
- ベーシック:30,000円/月
有料プランは、月額10,000円のライトプランと、月額30,000円のベーシックプランの2つです。ネット予約については、予約が入った分だけ「ランチ:41円/人」「ディナー:205円/人」の従量料金が追加でかかります。
「食べログ」の料金プランは、次の5つです。
- 無料会員:0円/月
- ライト:10,000円/月
- ベーシック:25,000円/月
- プレミアム5:50,000円/月
- プレミアム10:100,000円/月
月額10,000円の利用できるライトプランから、月額100,000円のプレミアム10プランまで、プランの価格幅が広いのが特徴です。すべてのプランで、上記の月額基本料に加えて、ネット予約獲得分「ランチ:100円/人」「ディナー:200円/人」の従量料金がかかります。
集客に役立つ機能
続いて、それぞれのグルメサイトで利用できる「集客に役立つ機能」を比較しながらみていきましょう。
まず、「ぐるなび」では、主に次の3つの集客機能・サービスを利用することができます。
- メディア露出:「ディスプレイ広告」でぐるなびが運営するメディアに露出できる
- ネット予約時のユーザー付与ポイントが自由選択可能になる
- コンサルティング:お店の成長を担当営業がサポート
- ぐるなびネット予約クーポン:ネット予約で使えるクーポンを作成できる
一方、「食べログ」では、有料プランに登録することで、次の4つの集客機能・サービスを利用することが可能です。
- アクセスアップ:食べログ内の検索結果で優先的に表示される
- 表現力アップ:店舗ページにてさまざまな手法でお店の魅力を伝えられる
- ゴールデンタイム強化:アクセス・予約数が多い時間帯に検索結果で上位表示される
- 食べログネット予約:食べログで24時間365予約を受け付けられる
「ぐるなび」を利用するメリット
「ぐるなび」を利用する主なメリットを3つ解説します。
- 無料で掲載できる
- 予約を促進しやすい
- 飲食店向けの手厚いサポートを受けられる
無料で掲載できる
ぐるなびの「スタートプラン」を利用すれば、無料でぐるなび店舗ページに掲載することができます。
0円から始められる「スタートプラン」は、2021年9月に登場した新しいプランで、掲載の他、ネット予約とGoogle・LINE公式アカウント作成代行も無料で利用することが可能です(※別途手数料がかかります)。
予約を促進しやすい
「ぐるなび」は、楽天グループ株式会社と業務提携契約を結んでおり、ユーザーはぐるなびのネット予約を利用することで「楽天ポイント」を貯めることができます。
このように、ぐるなびネット予約は予約特典が魅力的であるため、予約を促進しやすいというメリットがあります。実際に、「ぐるなび」は1億人以上の楽天会員にアプローチしているというデータも出ています。
参照元:ぐるなび掲載のご案内
飲食店向けの手厚いサポートを受けられる
ぐるなびは、飲食店向けに手厚いサポートが充実していることでも知られています。
たとえば、別途コンサルティング費用がかかりますが、有料会員になると、販促や人材、メニュー開発など、お店の成長に関するあらゆるお悩みをサポートするコンサルティングサービスを受けることができます。
「ぐるなび」を利用するデメリット
続いて、「ぐるなび」を利用するなら知っておくべきデメリットを2つ紹介します。
- 有料会員は料金がかかる
- クーポン目当ての顧客はリピート化が難しい
有料会員は料金がかかる
ぐるなびを本格的に運用するためには、有料会員登録が必要です。有料会員に登録する場合、最低でも月額10,000円の費用がかかります。
また、コンサルティングサービスなど追加サービスを利用する場合は、別途料金がかかるため、本格的に集客をしたい場合、費用がかさみやすいという点は留意しておきたいポイントです。
クーポン目当ての顧客はリピート化が難しい
「ぐるなび」で利用できる主要集客機能の一つに「ネット予約クーポン」があります。集客施策として効果的なクーポンですが、クーポン目当てのユーザーはリピート化が難しいという懸念点もあります。
クーポン目当ての新規顧客ばかりが集まってしまうと、長期的な利益率の低下を招きかねません。リピーターや常連客も集客できるように、使いどころや特典内容をしっかりと検討する必要があるでしょう。
「食べログ」を利用するメリット
次に、飲食店が「食べログ」を集客に利用する主なメリットを3つ解説しましょう。
- 無料で掲載できる
- 口コミを集められる
- 飲食店向けサービスを利用できる
無料で掲載できる
「ぐるなび」と同様、「食べログ」でも無料会員として店舗情報を登録・掲載することができます。
有料会員と比較すると、利用できる機能やできることは限られてしまうものの、店舗の基本情報(営業時間や休業日など)や写真、メニューなどの掲載であれば、無料で行うことが可能です。有料会員に登録する前の段階で、使い勝手やユーザーの反応などを無料で確認できるのはうれしいポイントです。
口コミを集められる
「食べログ」は、飲食店の利用者が感想を投稿するグルメサイトとして知られていることもあり、実際に店舗を利用した顧客から口コミを集めることができます。
消費者から寄せられた客観的な口コミは信頼性が高く、消費者が飲食店を探す際や来店を決める際の大きな判断材料となります。実際に、消費者の口コミを活用して売上向上を図る「口コミマーケティング」という手法も存在します。
お店の情報を一方的に掲載するだけでなく、消費者から口コミを集めやすいことは、「食べログ」を利用するメリットの一つです。
飲食店向けサービスを利用できる
食べログには、有料会員の飲食店向け集客サービスが充実しています。課金をすることで、食べログ内の検索結果に自店舗を上位表示させたり、食べログ内で24時間365日ネット予約を受け付けたりと、さまざまな便利サービスを利用することができます。
「食べログ」を利用するデメリット
続いて、「食べログ」を利用するなら知っておくべきデメリットを2つ解説します。
- ネガティブな口コミを書かれることがある
- 掲載店舗数が多く差別化が難しい
ネガティブな口コミを書かれることがある
「食べログ」では、利用者が多く口コミが集まりやすい分、ネガティブな口コミを書かれるリスクがあることを理解しておく必要があります。
「食べログ」はあくまでも中立な立場で運営を行っていますので、お店にとって都合の悪い口コミが投稿されたとしても、口コミガイドラインに反していない限り、削除・修正をしてもらうことはできません。
もちろん、事実と明らかに異なる口コミを書かれた際は対応してもらえます。ただし、利用者から寄せられた感想については削除・修正できないため、場合によっては口コミが不利益に働くことがある点はデメリットだといえます。
掲載店舗数が多く差別化が難しい
「食べログ」は、日本最大級のグルメサイトということもあり、掲載店舗数が圧倒的に多いことが特徴です。登録している店舗数が多いということは、それだけ人気であるということですが、その分他店との競争も激しくなります。
そんな状況下で、他店に埋もれないようにするには、有料プランに課金をして、検索結果の上位に表示させたり、自店舗ページの広告をブロックしたりといった機能の活用が必要になります。
課金を行わず、無料プランで運用する飲食店にとって不利な傾向にあるというのは、デメリットとして把握しておきたいポイントです。
グルメサイトを使って集客効果を高めるポイント
ここまで、「ぐるなび」と「食べログ」の特徴やメリット・デメリットを比較しながら紹介しました。
それぞれ強みとしているポイントが大きく異なるため、どちらが一概に優れているようなことはなく、お店に合ったグルメサイトを選ぶことが大切です。ここでは、グルメサイトを使って集客効果を最大限に高めるためのポイントを3つ解説しましょう。
- 利用目的と顧客層に合ったグルメサイトを選ぶ
- 魅力的な写真を掲載する
- 有料プランの利用を検討する
利用目的と顧客層に合ったグルメサイトを選ぶ
グルメサイトは、「ぐるなび」と「食べログ」の2つをとっても、メリット・デメリットが異なります。そのため、自店舗の集客目的や顧客層、コンセプトなどを考慮して、最適なグルメサイトを選んで運用することが大切です。
特に利用ユーザー層は、グルメサイトによって差が大きいため、「自店舗の顧客層にリーチできるか」を基準に選ぶことで、効率良く集客を行えるようになります。
魅力的な写真を掲載する
グルメサイトの店舗ページでは、お店の料理や雰囲気の写真を掲載することができます。
店舗ページを作成する際は、お店の魅力を最大限に伝えられるように魅力的な写真を撮影し掲載するように心がけましょう。というのも、料理や店内の写真はユーザーにとってお店選びの大切な判断材料であり、写真の良し悪しは集客効果に大きく影響するからです。
集客力のあるグルメサイトに店舗ページを作成したからといって、自動的に集客できるようになるわけではありません。グルメサイトは、あくまでも店舗の集客を手助けするツールであり、集客効果を高めるには、利用者にお店の魅力を伝えられるように写真や紹介文などにこだわって運用していく必要があります。
有料プランの利用を検討する
「ぐるなび」と「食べログ」では、いずれもお店の情報を掲載するだけであれば、無料プランでも可能ですが、ネット予約サービスやクーポン発行といった集客に役立つ便利機能を利用するためには、有料プランへの登録が必要です。
また、グルメサイト内の検索結果で自店舗が上位表示されやすくするにも、有料プランへの登録が条件となります。
そのため、本格的にグルメサイトを運用するとなると、無料プランでは思うように集客できなかったり、たくさんある店舗情報に埋もれてしまったりと、やや不十分に感じるかもしれません。
一口に「有料プラン」といっても、ぐるなびなら月額10,000円〜30,000円、食べログなら月額10,000円〜100,000円の価格が異なる種類のプランから選ぶことができるため、まずはお手軽な有料プランから登録を検討してみると良いでしょう。
まとめ
大手グルメサイトの「ぐるなび」と「食べログ」を徹底比較するとともに、それぞれの利用メリット・デメリットを解説しました。
どちらのグルメサイトを選ぶべきなのかは、店舗によって異なります。自店舗の顧客層や課題、必要なサービスなどを把握し、それを考慮した上でお店に合うグルメサイトを選定・運用することが重要です。
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