事前決済とは

近年、キャッシュレス化の影響により事前決済が広まっており、事前決済導入を検討している方もいることでしょう。キャッシュレス化は経済産業省が推し進めており、今後も事前決済を導入する企業が増えていくことが予想されます。

そこで今回は、事前決済の基本情報や、導入によるメリット・デメリット、注意点などを解説していきます。事前決済の導入を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。

事前決済とは

事前決済とは、顧客が来店前にサービスの支払いをすることです。顧客は予約時にクレジットカードなどのキャッシュレス決済で、料金の支払いを済ませます。

事前決済を行うと、サービス提供日に店舗での精算が不要になるため、業務の効率化が可能です。また、予約したまま当日に来店しない無断キャンセルも防げます。

顧客も当日に財布を持ち歩く必要がなくなり、利便性が高まります。そのため、事前決済サービスは店舗側と顧客側、どちらにも大きなメリットがあるサービスです。

事前決済が広まった背景には、近年のキャッシュレス化があります。キャッシュレス決済の比率は年々増加しており、2021年には32.5%になっています。

さらに、経済産業省はキャッシュレス決済比率を将来的には80%まで上昇させることを目指して、キャッシュレスの推進に取り組んでいます。今後もキャッシュレス化が進むにつれ、事前決済を導入する企業が増えると予想されます。

参照元:2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました(経済産業省)

事前決済導入によるメリット

事前決済は来店前にサービスの支払いをするため、店舗と顧客どちらにとってもメリットがあります。導入によるメリットは、主に次の5つです。

メリット

・業務を効率化できる
・キャンセル率が低下する
・顧客の利便性が向上する
・外国人旅行者を取り込みやすくなる
・感染症対策になる

業務を効率化できる

事前決済により、業務を効率化できます。なぜなら、精算業務に使っていた時間を他の業務に充てられるからです。

事前決済を利用することで、精算業務を行う時間を短縮できます。サービス提供後の支払いの場合、精算業務に人手や時間が必要ですが、事前決済であれば必要ありません。

従業員が精算業務をしている間は他の業務に取り組めません。たとえば、精算中に予約の電話がかかってきても出ることができないため、顧客を逃す可能性があります。来店中の顧客に声をかけられても対応できず、悪い印象を残すかもしれません。

また、精算業務自体、おつりや現金差異を確認したり、金融機関で入出金を行ったりと、従業員に大きな業務負担がかかります。事前決済を導入すれば精算に手間がかからないため、他の業務に集中でき、結果的に業務を効率化することが可能です。

キャンセル率が低下する

事前決済を導入すると、キャンセル率の低下が期待できます。事前決済により、顧客が心理的にキャンセルしづらくなるからです。

事前決済は予約時に決済をするため、キャンセルをするとキャンセル料がかかります。予約時にあらかじめキャンセル料の記載をしておくことで、顧客による安易なキャンセルを防止できます。

また、事前決済により、キャンセルを前提で予約している悪質な予約を防ぐことが可能です。複数の日程で予約して後でキャンセルをするといった予約の仕方は、事前決済があるとしづらくなります。

もしキャンセルをされても、事前決済であればキャンセル費用を確実に回収できます。無断キャンセルをされると店舗にとって損失になるため、キャンセル率を低下できる点は事前決済の大きなメリットです。

顧客の利便性が向上する

事前決済導入により、顧客の利便性が向上します。なぜなら、オンライン上で簡単に予約から決済まで完了できるからです。

事前に予約と決済をすることで、サービスの内容や料金が明確になります。そのため、顧客の来店当日に想定以上の金額を支払う不安などを取り除くことが可能です。

また、店舗で決済をしないため、現金やカード、領収書などのやり取りが不要になります。店舗にお金を持ってくる必要が無くなり、財布を持ち歩く必要もありません。

当日はサービスを受けるだけのため、顧客は集中してサービスを楽しめます。事前決済導入によって顧客の利便性が向上すると、リピーターや新規顧客が増え、収益アップにつながります。

外国人旅行者を取り込みやすくなる

事前決済を導入すると、外国人旅行者を取り込みやすくなります。事前決済があると、安心して予約できるからです。

訪日外国人旅行者の場合、日本語を話せない人が多いため、決済に不安を抱えている可能性があります。事前決済であれば、事前に決まった金額を支払っているため、サービス当日に支払金額の誤りや想定外の事態が起こる可能性が低く、安心してサービスを受けることが可能です。

また、海外では日本以上にキャッシュレス決済が主流となっているため、キャッシュレス決済に対応していないと、予約してもらえない可能性があります。2020年1月の経済産業省の調査では、2016年時点で韓国では96.4%、アメリカでは46%と、高い割合でキャッシュレス決済が利用されているとの結果が出ています。

参照元:キャッシュレスの現状及び意義(経済産業省)

訪日外国人旅行者による買い物やサービス利用に対する需要(インバウンド需要)は年々増大しているため、取り込めれば売上アップが期待できます。外国人旅行者を取り込むための対策の一つとして、事前決済サービスは有効です。

感染症対策になる

事前決済導入により、感染症対策になります。事前決済を利用すると、予約や精算の際に接触する必要がないからです。

事前決済はオンライン上で予約と同時に精算を行うため、対面で対応する必要がありません。事前決済でない場合は、現金やカードのやり取りで接触が必要です。

また、予約時に来店者数を制限できるため、店舗内が密になることを防げます。事前に混雑を防ぐことで、感染症にかかるリスクを軽減できます。事前決済導入により、感染症対策をしている店として顧客に対してアピールが可能です。

事前決済導入によるデメリット

事前決済を導入すると、利用するサービス会社によっては大きな金銭的コストがかかります。また、事前決済はキャッシュレス決済を利用して行うため、客層によっては利用してもらえない可能性があります。

ここでは、デメリットを具体的に解説していきましょう。

デメリット

・コストがかかる
・客層によっては効果が低い

コストがかかる

事前決済導入には、決済手数料やサービス利用料がかかります。料金はサービス提供会社によって異なりますが、一般的に決済手数料は売上金額が大きいほど負担が大きくなります。

また、実店舗で行う場合、決済用端末の購入が必要です。事前決済のサービスによっては、初期費用や月額費用がかかるものもあります。

事前決済導入には少なからずコストがかかるため、導入や運用などトータルの金額を計算して導入を検討しましょう。

客層によっては効果が低い

事前決済導入は、店舗の客層によっては効果が低くなる可能性があります。現金のみ利用している顧客は、事前決済を利用する可能性が低いからです。

顧客の年齢層が高い場合、そもそもキャッシュレス決済を利用していない可能性があります。その場合、事前決済を利用できません。

事前決済導入にはコストがかかるため、導入するかは客層をみてから判断する必要があります。事前にアンケートを実施し、利用予定者が少ない場合は導入を見送るなど、導入前に検討しましょう。

事前決済導入の際の注意点

事前決済はコストがかかりますが、導入すると多数のメリットがある決済方法だとお伝えしました。導入する際には、次の3つの注意点を守ることでより効果的に活用できるでしょう。

注意点

・キャンセルポリシーを明確にする
・顧客に対して事前決済のメリットを伝える
・万全なセキュリティ対策をする

キャンセルポリシーを明確にする

事前決済を導入する際は、キャンセルポリシーを明確にしましょう。キャンセルポリシーを明確にすることで、予約時の顧客の不安を軽減でき、キャンセル料を確実に受け取れるからです。

キャンセルポリシーには、何日前にキャンセルするといくらかかるのか、無料キャンセルの期間、返金方法などキャンセルのルールを具体的に記載します。

手続きが複雑だったり、キャンセル料金が高すぎたりすると、予約が減る可能性があります。そのため、顧客の目線で考えキャンセルポリシーを明確にしましょう。

顧客に対して事前決済のメリットを伝える

事前決済を導入したら、顧客に対して事前決済のメリットを伝えましょう。なぜなら、事前決済のメリットがわからないと、導入しても利用してもらえないからです。

利用してもらうために、顧客にとっての魅力やメリットを伝えることが必要です。たとえば、予約時の割引や特典、サービスの提供などによって、事前決済に付加価値をつける方法があります。事前決済を利用した顧客のみに与えることで、事前決済を利用する魅力の一つとなります。

事前決済を利用してもらうために、事前決済利用による顧客のメリットを伝えましょう。

万全なセキュリティ対策をする

事前決済を導入する際には、万全なセキュリティ対策が重要です。事前決済は、オンライン上で顧客の個人情報を管理するからです。

オンライン上に個人の氏名や住所、クレジットカード情報などが登録されています。特に、クレジットカード情報は支払時に利用するため重要な情報です。

個人情報が漏洩してしまうと、社会的に会社の信用度が落ちます。また、顧客に損害を与え、訴えられる可能性もあります。

ハッキングなどに備えて、セキュリティが整っているシステムを導入しましょう。システム導入にあたって、データを扱う従業員への個人情報保護教育も重要です。

導入前に内部と外部どちらに対しても、万全なセキュリティ対策を行いましょう。

まとめ

事前決済のメリットやデメリット、導入時の注意点などについて解説しました。

事前決済を導入すると、顧客の利便性が向上し、店舗は業務効率が上がるなど、両者に多くのメリットがあります。デメリットは、コストがかかる点です。

事前決済を導入する際は、キャンセルポリシーを明確にすることや、顧客に対して事前決済のメリットを伝えることが大切です。事前決済を上手く使えば、集客や売上アップにつなげられます。

集客や売上アップのために事前決済の導入を検討している方には、当社ディップ株式会社が提供している「常連コボットforLINE」がおすすめです。

常連コボットforLINE」は、常連客をつくって売上をアップさせるためにつくられたサービスです。LINEアプリを活用し、顧客に対して、店舗のポイントカードやクーポン、DMなどを送付できます。

「常連コボットforLINE」は、紙のポイントカードやクーポンのようになくすことがありません。また、LINEのメッセージで季節限定の情報や割引情報などを流せば、販促にも利用できます。

他にも、来店した顧客に対して来店ポイントや、ポイントカードログインによるログインポイントを付与したり、貯まったポイントで特典を渡したりといった機能があります。

このように、「常連コボットforLINE」には店舗のリピーターを増やすために効果的な機能が満載です。当社ディップ株式会社では、「常連コボットforLINE」のサービス開始前から開始後まで、担当者が全面的にサポートします。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひ当社ディップ株式会社までお気軽にお問い合わせください。