飲食店のインスタグラム

飲食店を経営している方の中には、インスタグラムを活用して集客につなげたいと考えている方も少なくありません。

インスタグラムの運用は、ただコンテンツを投稿し続ければ良いというわけではなく、集客につなげるためにはコツを抑えた上で、投稿しなければなりません。集客につながらない投稿は時間と労力のムダになる上に、アカウントの魅力がないことでますます客足が遠のく可能性もあります。

今回は、飲食店におけるインスタグラムの活用方法について、集客に活用される理由やメリット&デメリット、インスタグラムの集客で失敗しないためのコツなどについて解説します。飲食店におけるインスタグラムの運用で失敗したくない方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

インスタグラムが集客に活用される理由

インスタグラムが飲食店の集客に活用される理由は、3つあります。

集客に活用される理由

・ユーザー層が幅広いから
・写真や動画による非言語コミュニケーションツールだから
・ビジネス向けの機能が拡充されているから

近年、インスタグラムを集客ツールの要として、活用している飲食店や商業施設は数多くあります。いまやインスタグラムは、ビジネスにおいて重要な位置づけとなっています。

特に飲食店においては、インスタグラムのアカウントの魅力が、そのまま店舗の魅力に直結するといっても過言ではありません。では、なぜそこまで飲食店がインスタグラムを活用する必要があるでしょうか?その理由を一つずつ解説します。

ユーザー層が幅広いから

インスタグラムが集客に活用される理由の1つ目は、インスタグラムのユーザー層が幅広いことにあります。

国内におけるインスタグラムの月間アクティブユーザー数は、Facebook社(現Meta社)の公式発表によると、2019年時点で3,300万人です。同じく、国内における男女別の割合は、男性が42.3%、女性が54.8%と、およそ半々の割合で利用されています。

また、TwitterやLINEといった主流SNSの中でも、インスタグラムの利用率は全年代を通して増加傾向にあることが、総務省の調査により判明しています。さらに、年代別のおける利用率については、下記のように10代から40代までの半数以上が、インスタグラムを利用しています。

インスタグラムのおける年代別利用率(日本国内)

全年代・年代・男女利用率
10代72.3%
20代78.6%
30代57.1%
40代50.3%
50代38.7%
60代13.4%
全年代48.5%
男性42.3%
女性54.8%

参考元:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要> 令和4年8月

特に10代から20代の割合が高く、この年代をターゲットに集客を考えている場合は、インスタグラムの運用は必要不可欠です。

加えて、40代でも5割以上、50代でも4割近くの利用率があることを考えると、インスタグラムは若年層に限らず、幅広い年齢層に利用されているSNSだといえるでしょう。

写真や動画による「非言語」コミュニケーションツールだから

インスタグラムが集客に活用される理由の2つ目は、インスタグラムが写真や動画を中心とした「非言語」のコミュニケーションツールであるからです。特に飲食店は、料理の写真や店内風景など、ビジュアル面で訴求することが多いため、インスタグラムとは相性が良いといえます。

同じく主要SNSの一つであるTwitterも、写真や動画が投稿できないわけではありませんが、あくまでTwitterは短文によるコミュニケーションがメインです。

さらに、インスタグラムでは、スマホに最適化された縦型画面でショート動画やライブ配信を楽しめる「リール」機能を、2020年から搭載しています。リール機能の搭載により、これまで写真がメインだったインスタグラムが、スマホ時代に合わせたコンテンツへと成長しました。

ビジュアル面で世界観を演出する飲食店においては、非言語コミュニケーションがメインのインスタグラムは、もっとも相性の良いSNSといえるのです。

ビジネス向けの機能が拡充されているから

インスタグラムが集客に活用される理由の3つ目は、ビジネス向けの機能が拡充されているためです。

インスタグラムではビジネス向けの機能が活発にリリースされているため、ビジネスツールとして活用する企業が増えています。主にショッピング機能やビジネスアカウントを活用し、分析を繰り返すことでインスタグラムを取り入れたSNSマーケティングが可能です。

ビジネス(プロ)アカウントとは?

ビジネスアカウントとは、広告の出向やインサイト分析、ビジネスプロフィールの登録などができる、企業向けのアカウントのことです。企業がビジネスで運用する場合は、ビジネスアカウントに切り替えることが鉄則です。

ショッピング機能とは

ショッピング機能とは、インスタグラムの投稿上で、写真と商品の購入ページの紐づけが可能な機能のことです。投稿写真を見たユーザーを、離脱させることなく購入ページへ誘導できることが魅力です。

上記のように、インスタグラムはビジネス向けの機能が拡充されているため、今後も企業におけるインスタグラムの活用が加速化していくと考えられます。

飲食店がインスタグラムで集客するメリット

では、飲食店がインスタグラムで集客するメリットにはどのようなものがあるでしょうか?主なメリットには、次の3点が挙げられます。

メリット

・顧客とコミュニケーションが取れる
・無料で手軽に始められる
・自社ホームページや他SNSとの連動性が高い

顧客とコミュニケーションが取れる

飲食店がインスタグラムを運用することで、顧客とより多くのコミュニケーションを取れるようになります。

たとえば、自店舗のホームページで新メニューなどを宣伝した場合、一方的な発信にしかならないため、顧客の反応がわかりません。一方で、インスタグラムで新メニューの写真などを投稿すれば、コメント機能にて顧客の反応がわかります。

自店舗のアカウントに寄せられたコメントに返信することで、顧客との距離が縮まり親近感の醸成にもつながります。

インスタグラムの投稿で顧客の反応をダイレクトに知ることができるのは、飲食店にとっては大きなメリットです。また、インスタグラム上での顧客とのコミュニケーションをきっかけに、新商品の開発などにつながる可能性もあります。

無料で手軽に始められる

飲食店がインスタグラムで集客するメリットとして、インスタグラムで無料かつ手軽に始められることが挙げられます。コストをかけずに運用できる上に、広告費等をかけずに運用することもできるため、集客につながらなかった場合でもコスト面での心配がありません。

アカウントを開設すれば、基本的に店舗側の好きなタイミングで情報を発信でき、宣伝できます。飲食店の集客ツールとして優秀な上に、初期費用や運用コストがかからないのは、インスタグラムの大きなメリットといえます(Instagram広告を出稿する場合は広告費がかかります)。

自社ホームページや他SNSとの連動性が高い

自社ホームページや他SNSとの連動性の高さも、インスタグラムを飲食店で運用する大きなメリットです。

インスタグラムは、TwitterやLINEといった他SNSとの連動性が高い上に、自店舗のホームページやブログなどへの誘導もスムーズに設定できます。また、インスタグラムを見て来店した顧客に対し、LINE公式アカウントへの登録を促しDRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)につなげるといったことも可能です。

なお、LINE公式アカウントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

インスタグラムの投稿をTwitterやFacebookでも連動できるように設定し、来店客をLINE公式アカウントへ促すことで、より集客効果を高められるでしょう。

飲食店がインスタグラムで集客するデメリットと注意点

飲食店がインスタグラムで集客する際には、メリットだけが割るわけではありません。続いては、飲食店がインスタグラムで集客する際のデメリットや注意点について解説しましょう。

デメリットと注意点

・写真の撮り方や加工等のスキルが求められる
・継続的に運用する必要がある
・フォロワー数を伸ばしにくい

写真の撮り方や加工等のスキルが求められる

インスタグラムを効果的に運用するためには、写真の撮り方や画像の編集といった知識やスキルが必要です。

インスタグラムは、ビジュアルで訴求するSNSです。同じ料理の写真であっても、写真の撮り方次第では料理の魅力が半減し、集客につながらない可能性もあります。

後ほど詳しく解説しますが、特に飲食店がインスタグラムで集客する場合は、写真や動画のインパクトで他店と差別化を図ることが重要です。インスタグラムを効果的に運用するためには、写真撮影や編集・加工といったスキルが求められることを理解しておきましょう。

継続的に運用する必要がある

インスタグラムを運用する際の注意点として、継続的な運用が必要な点が挙げられます。インスタグラムは拡散性が低いSNSのため、Twitterのように「バズり」がきっかけで集客につながることはほとんどありません。

なお、各SNSの特徴などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

インスタグラムで集客につなげるためには、継続的に投稿し、店舗の存在を露出し続けることが重要です。

フォロワー数を伸ばしにくい

他SNSと比べ、インスタグラムはフォロワー数を伸ばしにくいといわれています。インスタグラムがフォロワー数を伸ばしにくい原因は、主に2つあります。

一つは、Twitterのように「リツイート」機能がないため、拡散性が弱いことが挙げられます。もう一つは、画像や動画がメインのため、ユーザーがフォローするアカウントを厳選しがちになることです。

アカウントのフォロー数が増えれば増えるほど、タイムライン上に写真や動画が数多く展開されます。この場合、たいして興味のないアカウントの投稿でもスマホの画面いっぱいに写真や動画が広がることになるため、ユーザーにとってのストレスにつながります。

そのため、ユーザーはタイムラインをすっきりと見やすくするためにも、フォローするアカウントを厳選しがちになるのです。インスタグラムのユーザーはフォローするアカウントを厳選する傾向にあるため、フォロワーを伸ばすためには長期戦になることを理解しておきましょう。

インスタグラムの集客で失敗しないためのコツ

最後に、インスタグラムの集客で失敗しないためのコツを3つ紹介しましょう。

失敗しないためのコツ

・写真や動画のインパクトで差別化を図る
・店舗独自のこだわりで差別化を図る
・ハッシュタグを駆使して露出を狙う

まだインスタグラムのアカウントを開設していない場合は、こちらの記事を参考に、インスタグラムのアカウントを開設してみましょう。

写真や動画のインパクトで差別化を図る

インスタグラムの運用で失敗しないためには、写真や動画のインパクトで他店舗と差別化を図ることが重要です。「ここの料理が食べたい」「この料理の写真を撮りたい」とユーザーに思わせるような、視覚的なインパクトを与える投稿を意識しましょう。

独創的なデザインをしたメニューを開発し、ユーザーが写真を見ることで「見たい」「楽しみたい」「(友人等を)驚かせたい」と感じてもらうことが狙いです。ユーザーが店舗に足を運んで写真を撮りたくなるように、インパクトのある投稿で差別化を図りましょう。

店舗独自のこだわりで差別化を図る

「インスタ映えを狙ったメニューを作るのはちょっと」と考える飲食店の場合は、店舗独自のこだわりで差別化を図ることも効果的です。店内のインテリアを工夫したり、こだわりを感じられるメニューを開発したり、店舗独自の雰囲気や温度感で差別化を図りましょう。

ユーザーが店舗で食事の様子を撮影した際に、自然にオシャレに感じるような雰囲気を演出することで、インスタ映えのメニューを開発しなくても、十分に差別化できます。

ハッシュタグを駆使して露出を狙う

インスタグラムから集客につなげるためには、ハッシュタグの使い方を駆使して、検索結果への露出を狙うことが重要です。特に飲食店の場合は、「地名+ジャンル」のような、地名と店舗のジャンルを組み合わせたハッシュタグを使うと効果的です。

さらに、「新宿+居酒屋」「新宿+バル」など、似たようなハッシュタグを使う場合は、どのハッシュタグがより使われているかなどを、事前にリサーチしておく必要があります。自店舗の特性に合わせて、どのハッシュタグをつければ効果的に検索結果に露出できるのか、ハッシュタグを駆使して研究しておきましょう。

まとめ

飲食店において、インスタグラムが集客に活用される理由やメリット・デメリット、インスタグラムの集客で失敗しないためのコツについて解説しました。

「ユーザー層の広さ」「非言語コミュニケーションが中心」「ビジネス機能の拡充」などの理由からも、飲食店がインスタグラムを運用するメリットは多くあります。

インスタグラムで集客を図り、来店した顧客にLINE公式アカウントなどへの登録を促せば、さらなる売上増加にもつながります。今回お伝えした内容を参考に、ぜひ自店舗でもインスタグラムの運用を検討してみてはいかがでしょうか?

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