飲食店で客離れを防ぎながら値上げする方法!お知らせ方法やタイミング、例文をご紹介

飲食店の値上げによる客離れは防ぐことが可能です。一定数の消費者は値上げに理解があり、価格が改定されても継続利用を示していることがわかっています。

しかし、値上げをお知らせする方法やタイミング、商品の選択を誤ると客離れが起こるリスクが高まるため注意が必要です。

この記事では、飲食店の客離れを防ぎながら値上げする方法、値上げをお知らせするときの例文をご紹介します。値上げを検討されている方はぜひ参考になさってください。

飲食店の客離れの原因は値上げではない

近年、社会情勢の変化による影響を多くの業界が受けています。
外食産業も例外ではなく、原材料高騰による値上げを検討している飲食店も少なくありません。

2022年6月に株式会社ぐるなびが行ったアンケート(【ぐるなびリサーチ部】外食の値上げに関する調査)の結果では、値上げに対して反対していた消費者は約7割で、そのほかの消費者は一定の理解を示していることがわかりました。

今後の利用についても、「増える」「変わらない」と約1割の人が回答していることから、値上げに対する影響は、必要以上に警戒しなくてもよいことがわかります。

しかし、値上げにより客数が減る可能性はゼロではありません。現状を維持するには、対策が必要です。

飲食店の値上げで客離れが起こる原因は「ステルス値上げ」

「ステルス値上げ」とは以下の3つのケースを指します。

  1. 告知をしない
  2. 消費者にわかりにくい告知をする
  3. 料理の量を減らして値段を据え置く

どれにも共通するのは、消費者にきちんと伝えていないということです。

値上げを隠す行為は、消費者への誠意に欠けています。消費者は「騙された」と感じてしまい、飲食店への信頼を失ってしまいます。

「ステルス値上げ」は飲食店の印象を下げてしまうだけではなく、常連客の損失にもつながるおそれがあります。

客離れを防ぎながら値上げする方法

飲食店の客離れを防ぎながら値上げするには、以下の4つの方法があります。

  1. 値上げをお知らせする
  2. 商品の価値を上げる
  3. 値上げする商品を厳選する
  4. 新しいメニューやサービスを作る

それぞれ簡単に解説します。

1. 値上げをお知らせする

ステルス値上げが客離れの原因になるため、値上げを決めたら正直に消費者に伝えることで誠意を示せます。

告知のタイミングは、値上げをする1カ月前がベストです。すべての常連客に伝えられるように、できるだけ早めに告知をすることで消費者からの理解も得やすくなります。

2. 商品の価値を上げる

客離れを防ぎながら値上げをするには、商品の価値を上げるのも効果的です。
値上げをするタイミングで食材の産地やトッピングの種類など、見直しをしてみましょう。値上げとともに商品価値が上がれば、消費者に喜ばれます。

ただし、原材料が高騰するなかで食材を見直すのはなかなか難しいことです。また商品価値が向上しても、価格に納得できない消費者も出てきます。

値上げとともにクーポンなど付加価値を提供することで、値上げの印象をやわらげ、顧客満足度につなげることが可能です。

3. 値上げする商品を厳選する

現在、提供しているメニューで食材費の高騰に強く影響されている商品を洗い出しましょう。値上げをする商品を選定することで、段階的に導入できます。

ただし、決まったメニューのみ何回も値上げをしていると、消費者からの信頼を失いかねません。値上げをする商品は、慎重に選ぶことが大切です。

いきなり多くの商品を値上げするのは怖いからといって、値上げをする商品を必要以上に少なくすると店舗存続にも影響するため注意しましょう。

4. 新しいメニューやサービスを作る

値上げをした事実から意識を逸らすために、新しいメニューを追加したり、ごはんのおかわりを無料にしたりなど消費者にとってポジティブな体験を用意するのも効果的です。

店内の目立つ位置やメニューに提示しておくのがおすすめです。値上げに納得してもらいつつ、店舗にも良い印象をもってもらえます。

値上げするメニューの選び方・価格の決め方

値上げするメニューを選ぶときは、食材率の原価率を意識することが大切です。価格の決め方について簡単に2つ解説します。

1. 食材に応じて個別に原価率を調整する

値上げをするメニューを選ぶときは、仕入れ価格が上がった食材を使用しているメニューの原価率に着目します。従来の原価率との差が大きいメニューを値上げの対象にするのがおすすめです。
差額分を現在の価格に乗せれば、原価率はこれまでと同じ割合をたもてます。

原価率をきちんと計算していれば、値上げの告知時に根拠として提示できます。こうした情報を提示することで、消費者からも理解を得ることが可能です。

2. 一部のメニューを値上げして原価率を調整する

食材の仕入れ価格を問わず、一部のメニューを値上げする方法もあります。人気メニューの値上げは利益が出やすいですが、集客力の強いメニューの値上げは消費者から不満も出やすく、競合店があれば埋もれてしまう可能性があります。

逆に注文率が低いメニューの値上げは、消費者から不満は出にくいものの、利益にもつながりません。

しかし、定番化している商品の値上げなら、人気メニューの値上げよりもすんなりと受け入れてくれる可能性があります。値上げをする商品を選ぶときは、消費者にとって心理的な負担が少ないメニューを選んでみてください。

客離れを防止!値上げお知らせの方法やタイミング、例文

飲食店の客離れを防ぐには、消費者に事前に値上げを伝えることが大切です。ここでは、消費者に値上げをお知らせする方法と例文を紹介します。

値上げをお知らせする方法

値上げをお知らせするときは、消費者とよくコミュニケーションをとっているツールを活用するのがおすすめです。

お店のホームページやSNS、LINE公式アカウントなどデジタル媒体を使う方法と、店舗内に張り紙をしたりメニューに提示したりとアナログ媒体を使う方法があります。

アナログ媒体は、常連客を含めた来店客に効果があり、デジタル媒体はしばらく来店していない人に向けた告知方法としておすすめです。

デジタル媒体は、告知とあわせてクーポンを送付できるため、値上げによるマイナス印象を少し打ち消してくれる可能性があります。

デジタルとアナログの2つの方法を併用して周知することで、幅広いターゲットに値上げをお知らせできます。

値上げをお知らせするタイミング

値上げをお知らせするときは、実施する1カ月前までに告知しましょう。唐突に「明日、価格が上がります」と伝えるのは反感を買いやすいため注意が必要です。

消費者のことを考えない行動は、飲食店への信頼損失につながります。きちんと理解してもらうための期間を設けることが大切です。

アナログ媒体とデジタル媒体の両方を活用して、すべての客層に伝わるように段階的に進めていきましょう。

気を付けてもらいたいのが、早く伝えればよいわけではないことです。あまりにも早い告知は、消費者から忘れられる可能性があります。

印象に残しやすいのは、新メニューの発表やリニューアルのタイミングです。新しい情報とともに価格の改定を告知することで、理解も得やすくなります。

値上げをお知らせする例文

値上げをお知らせするときに必要な情報は、値上げをする理由、開始する日時、対象商品です。お知らせをするときの文章は以下のような形で作成します。

件名:メニュー価格改定のお知らせ

お客様各位

いつも当店をご利用いただきありがとうございます。

当店はオープン以降、国産食材にこだわり、幅広い年齢層に愛されるお店を目指して営業してまいりました。多くのお客様に親しまれ、営業を続けられたことを心より感謝申し上げます。

近年、食材の価格高騰を受け、当店も影響を受けております。今後も皆さまに喜んでいただけるお食事を提供するため、誠に勝手ながら一部メニューの価格改定をさせていただくこととなりました。
ご迷惑をおかけしますことを、お詫び申し上げます。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

以下は変更対象となるランチメニューです。
1. ランチA:900円 → 1,200円
2. ランチB:1,000円 → 1,300円
3. ランチC:1,200円 → 1,500円

価格変更は〇月〇日(×)より適用させていただきます。
今後はお客様により一層ご満足いただけるお食事とサービスを提供できるよう、スタッフ一同心より努めてまいります。

ご質問やご意見がございましたら、お気軽にお知らせください。
これからも変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

どうぞよろしくお願いいたします。

[店舗名]
[オーナーの名前]
[連絡先]

日頃から来店いただいている感謝の気持ちと、値上げに対するお詫びの気持ちをきちんと言葉で伝えましょう。改定前の価格も入れておくことで、どのくらい値上げするのかを一目で把握できます。

飲食店で客離れを起こさないための取り組み

値上げによって客離れが起きないか不安を抱えている方も多いでしょう。ここでは、値上げに負けない常連客作りのコツを2つご紹介します。

1. 健全な経営を継続する

値上げによる客離れが不安で、人件費やお店の修繕費など必要経費を抑えるのは控えたほうがよいでしょう。提供するサービスの質が低下し、お客様の足を遠のかせてしまうおそれがあります。

まずは原材料の仕入れ価格に応じて価格改定を実施し、サービスの品質を落とさないように経費をしっかりと活用することが大切です。健全な経営を行うことが信頼関係の構築につながります。

飲食店にとって常連客は経営の安定に欠かせません。適切なコミュニケーションをとることで、新規客の獲得にもつなげることが可能です。

関連記事:【2023】常連客を増やす方法は?飲食店向けチェックポイントをわかりやすく解説

2. キャンペーンや次回特典チケットなど配布する

飲食店の経営を支えているのは、常連客やリピーターの存在です。
新規客を獲得できても、固定化できなければ繁盛店にはなれず、延々と新規客獲得に奔走することになります。

新規客の再来店につなげるには、次回来店時に使えるチケットやクーポンを配布するといった取り組みが効果的です。

さらに、キャンペーンや期間限定メニューなどを定期的に提供することも工夫のひとつです。
いつものメニューとは違う味を楽しめるため、飽きさせることがありません。こうした情報はSNSで発信することで集客アップにつながります。

関連記事:Google・Instagramの予約機能で集客アップ!メリデメ、設置方法とは?

お店の存在を知らない層にアピールするには、Googleビジネスプロフィールの活用もおすすめです。費用を抑えて新メニューやキャンペーンなどの情報を伝えることができます。

関連記事:グルメサイト離れが加速中?集客率を上げるコツやおすすめツールを紹介

まとめ:誠実な対応やお得なサービスを提供して客離れを防ごう

飲食店の値上げで客離れが起こらないようにするには、ふだんからのコミュニケーションと誠実な対応が大切です。

顧客満足度を重視し、高品質なサービスを提供できるように努めなければなりません。値上げをするときは店舗での掲示にくわえて、SNSを活用して、適切なタイミングでお知らせしましょう。

飲食店の客離れ防ぐには「常連コボット for LINE」がおすすめです。
「常連コボット for LINE」は、LINEミニアプリを使用した常連顧客獲得につなげるためのサービスです。会員登録が不要なため、新規客にもすすめやすいメリットがあります。

来店や友だち紹介などでポイントを貯められるうえに、貯まったポイントでクーポンを獲得できるため、来店の動機づくりにつなげることが可能です。

また、定期的にメッセージで新メニューや割引情報を発信できるため、費用を抑えて宣伝できます。気になる方はお気軽にお問い合わせください。

『常連コボット for LINE』のお問い合わせはこちら