アルバイト面接の採用側

少子高齢化が加速する日本では、近年人材不足が大きな課題です。特に、飲食・販売・サービス業界では多くの企業が頭を抱えています。

確実に採用につなげるためには他社との差別化を意識したり、求職者に自社の魅力をアピールしたりすることで、効率よく採用活動を進めていく必要があります。

今回は、アルバイト採用面接で意欲をUPさせる方法・注意点について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

アルバイト面接にドタキャンが多い理由

アルバイトの面接では、下記のようにさまざまな悩みが発生します。

ドタキャンが多い理由

・応募がない
・返信が来ない
・面接に来ない
・内定辞退が多い

特に、不快な感情になりやすいのは「面接のドタキャン」です。

応募がなかったり、メールの返信が来なかったりすることは、面接官の時間を大きく搾取する内容ではありません。しかし、日程が決まっており、30分〜1時間程度面接官の時間を確保している中で面接のドタキャンは、怒りや不満が生まれやすいものです。

面接を通して意欲をあげる方法をお伝えする前に、まずはドタキャンの理由を解説していきます。「ドタキャンは求職者の質が悪い」と片付けず、原因を把握していきましょう。求職者の心情を理解することで、面接の対策もしやすくなります。

求職者が同時に応募する企業数が増加しているから

1つ目の理由は、求職者が同時並行して応募する企業が増えているためです。

たとえば、大手転職エージェントでは求職者が初期登録を行うと目安応募目標を15社と設定されます。アルバイトの求人広告でも、1ぺージにある求人(媒体によりますが20〜30社)をまとめて選択して応募するという機能がついています。

さらに、働き方の多様化やシフト細分化などのトレンドで、求人広告の数は年々増加傾向にあります。求職者にとっても、応募先を1つに絞って連絡を待つよりも、5社〜10社まとめて応募をして選考を進める方が早く内定を取りやすくなります。

こうした背景から、同時に応募する企業数が増えていることが、1社に対する熱意を下げて連絡不通・面接のドタキャンにつながっているのです。

他社よりも面接日時が遅いから

2つ目の理由は、同時並行して応募した企業と比較して面接日時の設定が後ろ倒しになっている、もしくは日時設定の連絡が遅れているためです。

企業は、応募されたら他社よりも早く求職者とコンタクトを取る必要があります。たとえば、面接の日時が決まったとしても、求職者が同時に応募した10社中10社目かもしれません。

10社中10社目の面接設定では、貴社の面接日までに内定をもらって入社を決めてしまっている可能性も高くなってしまいます。

求職者と自社だけの関係性ではなく、裏にはたくさんの企業がいるかもしれないとイメージすると、競合の中で一番早い面接日の設定をすることが非常に重要です。順番が後になってしまえばしまうほど、ドタキャンの可能性が高くなるということを理解しておきましょう。

連絡を取りやすい環境の整備が不足しているから

3つ目の理由は、求職者が気軽に連絡できる環境を整えられていないことです。

たとえば、面接日に体調を崩したときはどうしたら良いか、連絡方法について案内がなければ連絡しにくくなります。求職者が、企業から心証が悪くなるようなことを避けたいと思うのはごく普通の心理です。

求職者の中には、気まずくなって連絡せずに面接に行かないという人もいるでしょう。日程を変えたいときや面接を延期したいと思ったときに連絡ができるよう、次のものを通知しておくことが重要です。

  • 連絡先
  • 担当者の名前
  • 連絡手段(メール or 電話)

天候や時事に左右されるから

4つ目の理由は、天候や時事ニュースに左右されるという点です。

人事担当や店長からすると「そんな理由で?」と思われるかもしれませんが、雨が降っている日や新型コロナウイルスの感染者数が増加している日など、世間の雰囲気が暗くなると面接の辞退率は上がってしまいます。

そういうときには、自分たちの対応に不足があったのではなく「仕方なかった」と割り切ることも重要です。課題を正確に捉えなければ、やみくもに施策を打つことになり、せっかくの面接機会を逃してしまうことになります。

応募から面接までの取り組みポイント

応募から面接までは、次の流れで進むことが一般的です。

  • 応募
  • 面接設定
  • 面接
  • 採用

ここでは、求職者から応募が来てから面接を終えるまでに、企業が取り組めるポイントを紹介します。現状にプラスするイメージでできることから始めていきましょう。

応募から面接までの取り組みポイント

・返信スピードを最重要視する
・メールと電話をダブル活用する
・返信メールに住所・アクセス・ホームページを記載する
・前日に面接リマインドコール・メールを送る

返信スピードを最重要視する

応募が来てから返信を行うまでの時間を短くしましょう。

スピード感のある対応はもっとも重要なポイントです。自動返信メールの設定が可能な媒体であれば、設定することをおすすめします。

スピード対応とは、10社まとめて応募したときの1社目に滑り込むイメージです。なんとなく早く動いても1社目は取れません。

他社にはPCに張り付いている人事担当がいるかもしれません。そうした焦りを持ちながら行動するくらいがちょうど良いでしょう。

具体的には、応募から30分以内の返信を心がけてみてください。3時間以内であれば良し、遅くとも半日以内に返せるように努力しましょう。

メールと電話をダブル活用する

電話とメールを交互に活用することもポイントです。インターネット媒体の普及により、求職者とのやり取りもメールがメインになりつつあります。

応募の割合は、電話:メール=3:7程度が平均的でありメール応募の方が多いため、メール対応のみという企業も多いのではないでしょうか。メールを送ってスムーズに面接日時の決定ができればそれでも構いませんが、返信がない場合は電話もかけてみましょう。

注意したいことは、「知らない番号に出たがらない求職者がいる」ということです。電話を掛けるだけでは出てもらえない可能性もあります。

そのため、「〇〇株式会社の■■です。000-000-000から夕方17時にお電話させていただきますので、ご都合よろしければご対応をお願いします。」というショートメールをあらかじめ送っておくと良いでしょう。ショートメールを見てくれれば電話に出てもらいやすくなります。

求職者はLINE等のコミュニケーションツールを使う機会が増えているため、メールに気づいていない可能性もあります。メールだけではなく、ショートメール・電話も活用しながらアプローチしていくことが重要です。

返信メールに住所・アクセス・ホームページを記載する

応募に対する返信メールの作り方にも工夫するポイントがあります。自動返信メール機能がある場合、本文は事前に作成しておくことができるため、次の項目を必ず記載しておきましょう。

  • 会社/面接地の住所
  • 面接地へのアクセス方法
  • ホームページのURL

特にアクセスが重要です。たとえば、駅から少し歩かなければならない距離にある面接地の場合、駅の出口番号・曲がる角にある目印・面接地の外観を細かく書いてあげましょう。

東京や大阪などの都会には1つの駅に対して出口が数個もある駅もあり、出口を間違えるだけで大きく時間をロスしてしまう場所もあります。そのため、求職者が道に迷ったり、開始時刻ぎりぎりに駅に到着したりしてもたどり着けるように配慮することが重要です。

自動返信メール機能がついていない場合は、やり取りしているメールにわかりやすく記載しましょう。面接日時が決まった後のメールや、面接前日のメールなど複数回送ってあげると気が付いてもらいやすくなります。

前日に面接リマインドコール・メールを送る

面接日の前日に、求職者へ電話をかけましょう。対応数が多い場合はメールでも構いません。

リマインドコールをかける理由としては、下記のメリットがあるからです。

  • 明日面接だと思い出してもらえる
  • 丁寧な会社だと認識してもらえる
  • 求職者の面接意欲を高めることができる

会う前の企業の印象は、ちょっとしたことで変わります。電話の声が明るかったり、こまめな気遣いを感じさせられたりすれば、印象アップにつながります。

サンプルトークとしては、「明日〇〇時からの面接、よろしくお願いします。楽しみにしています。コーヒーかお茶をご用意しますが、どちらがお好みですか?」と話してみましょう。

ドリンクの種類などは何でも良いですが、ポイントは次の2点です。

  • 楽しみにしていることをアピールする
  • 何か選んでもらう

何か選んでもらうことは、「自分のために用意してくれているのだから行かなければならない」という心理をくすぐります。ドタキャンを防ぐことができる上に、この電話でキャンセルの確認もしやすくなります。試しやすいテクニックなので早速実践してみてください。

面接時の取り組みに関するポイント

面接の際に重要なポイントを3つ紹介します。「面接後の求職者といつも連絡が取れなくなってしまう」「内定を出しても辞退されてしまう」ということにお悩みの方にとって参考になる内容でしょう。

採用しても良いかなと正確な判断をするためにも、正しい面接についてポイントを押さえて取り組んでみてください。

面接時の取り組みに関するポイント

・「話す」のではなく「聞く」「知る」
・仕事内容やアピールポイントは用意しておく
・採用に前向きな印象を与える

「話す」のではなく「聞く」「知る」

面接で重要なことは、自身が話すことではなく相手の話を聞くことです。面接が苦手な方や不慣れな方、内定辞退が多い方は聞くことができていないケースが多いです。

話を聞くというのは、相手を知るということです。たとえば、「〇〇なことがありました。」という話し手に対して「そうなんですね。」と、会話を返すのは話を聞いているのではなく相づちを打っているだけといえます。

ここで、説明している話を聞くというのは、「どうしてそうなったんですか?」と会話を広げ、「先ほど■■と言っていましたよね。だからそんなことが起きたんですね。」と理解して話をかみ砕くことを指しています。

相手を知るために話を聞くことは、簡単なようで意外と難しいものです。ただ、こうした意識を持って話をすることで、求職者は「自分のことを理解してもらえた」「知ってもらえた」と強く感じます。

自分の面接を振り返ってみて、話してばかり・相づちしか打てていないと感じた方は、意識するところから始めてみましょう。

仕事内容やアピールポイントは用意しておく

面接では、任せる仕事内容・アピールポイントについて話す必要があります。この2つは事前に整理しておきましょう。

たとえば、飲食店の店長の場合、ホールスタッフに任せている仕事は何か考えてみます。「ホール業務全般」とまとめるのではなく、次のように詳しく思い出してみてください。

  • お客様のご案内
  • オーダー確認
  • 料理の配膳
  • お皿の片付け

さらに、仕事内容を通して「オーダーはタッチパネルを使用している」「お皿の片付けは洗い場までの距離が近い」など、自社のメリットを整理してみてください。

次に、アピールポイントを整理してみます。先ほど考えた「自社のメリット」にプラスして、次の項目などを踏まえて洗い出してみましょう。

  • 研修制度
  • 人間関係の雰囲気
  • シフトの融通

こうしたプロセスを踏むことで、求職者に自社の良いところをアピールしやすくなります。

採用に前向きな印象を与える

面接中に求職者に良い印象を持った場合は、合否に関わらず前向きな対応を心がけましょう。「合否がまだわからない状態で期待させてはならない」と思い、良いと思ったことを伝えないのは非常にもったいないことです。

今の時点では一緒に働きたいという印象だということや、求職者の話をよく聞いて良い部分は褒めていきましょう。なぜなら、求職者は同時並行して面接を進めている方が多いからです。

面接が終わった後に「手応えがなかった……」と思うと、次の応募や面接を入れてしまい、他社に興味が移る可能性があります。よほど自信を持っている人でない限り、面接は緊張を伴い、ネガティブになることがあります。

ポジティブな印象は表情やことば掛けでアピールしていきましょう。求職者が「ここで働きたい!」という意欲を持たせて面接を終わらせることが重要です。

面接時に注意すべきポイント

面接には、注意すべきポイントがあります。取り組むべきポイントと一緒に確認していきましょう。

面接時に注意すべき3つのポイント

・一方的な説明と条件確認だけで終わらない
・仕事と関係ない質問をしない
・合否のスケジュール確認を忘れない

一方的な説明と条件確認だけで終わらない

1つ目の注意点は、一方的な説明や勤務条件の確認で終わらせないことです。アルバイト採用に時間をかけていられないという状況であったとしても、求職者を軸にして話を聞くようにしましょう。

勤務条件などは求人広告や採用ホームページに書いてあるでしょう。時間がなければ重複した説明は省き、代わりに話を聞いたり職場の見学をしたりする時間を割いたりすると良いです。

自社のことを知ってもらおうとしてついつい話し過ぎてしまう方は気をつけてください。

仕事と関係ない質問をしない

2つ目の注意点は、仕事に関係のない質問はしてはならないということです。次の6つのテーマに関しては、面接時に触れてはなりません。

  • 本籍地
  • 家族の職業
  • 家族の収入、資産、住居状況
  • 思想・宗教、支持政党、尊敬する人物
  • 自宅付近の略図、経路など
  • 男女雇用機会均等法に抵触する質問

自宅の場所や好きな本、今後の結婚の有無など、他意なく質問してしまうことがある内容もあります。あらかじめNG質問の項目については把握しておき、うっかりこちらから聞いてしまわないように注意してください。

合否のスケジュール確認を忘れない

3つ目の注意点は、面接終盤に合否のスケジュールを伝えることです。

求職者はいつまでに連絡がくるのか気になっても、自分から聞けないことがあります。合否連絡はいつまでにするのか、連絡がなければどうしたら良いのか、丁寧に伝えてあげましょう。

そのときに、あまり長い期間待たせないことも重要です。合否決定は1週間くらいを目安にすると、求職者が連絡を待つストレスを軽減することができます。

まとめ

アルバイトの面接は採用側にも配慮が必要です。雇用して「あげている」という気持ちではなく、気持ち良く自社で働いてくれる人材を獲得するために、少しの工夫や気遣いを取り入れていきましょう。

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