Facebookで顧客接点を拡大して購買行動へとつなげるには、「Facebookショップ」の活用がおすすめです。Facebookショップ機能を使えば、FacebookとInstagram上にオンラインショップを無料で開設することができます。
今回は、Facebookショップの概要や活用メリット・デメリット、企業の活用事例などを紹介します。
Facebookショップとは?
Facebookショップとは、Facebookから商品の閲覧、検索、購入ができるオンラインショップのことです。日本国内では、中小ビジネスのオンライン事業サポートを目的に2020年6月に提供が開始されました。
Facebookショップでは、カスタマイズ可能なオンラインショップを無料で作成することができます。ショップを開設すると、ユーザーはFacebookページやInsatagramのプロフィールなどからショップを閲覧できるようになります。
米国版では、Facebookショップで販売している商品をFacebookページ上で直接購入することができます。ただし、日本国内では未実装(2023年1月時点)となっているため、ECサイトなどに誘導して購入してもらう必要があります。
Facebookショップを活用するメリット
続いては、Facebookショップを活用するメリットを5つ紹介します。
・無料で手軽に利用できる
・Facebook上で商品を宣伝できる
・顧客との接点を増やせる
・Instagramにも同じショップを公開できる
・インサイトでショップの分析ができる
無料で手軽に利用できる
Facebookショップのメリットは、誰でも無料で手軽にショップを開設できることです。
通常、オンラインショップを開設するには、初期費用や月額費用などが発生しますが、Facebookショップは無料で利用することができます。また、既にFacebookアカウントを保有していれば、新たに会員登録をする手間もかかりません。
ゼロからショップの集客を行わなくても、既存のアカウントでつながっているユーザーにショップを閲覧してもらえることも魅力です。
Facebook上で商品を宣伝できる
Facebookショップを活用することで、Facebook上で商品を宣伝できるようになります。好きな商品を随時追加して宣伝することはもちろん、おすすめの商品を選択してコレクションを作成したり、商品をカテゴリ別に整理したりすることもできます。
特にコレクションはカスタマイズ性に優れており、季節のイベントや発売予定の商品、プロモーション、トレンドなどに基づいてコレクションを作成することで、商品の魅力を存分にアピールすることができます。
顧客との接点を増やせる
Facebookショップを開設することで、顧客との接点を増やすことができます。
これまでECサイトの存在を知らなかった顧客にFacebookショップを利用してもらうことで、顧客接点を強化できます。また、顧客が日常的に利用しているFacebookアプリ上で商品を閲覧できるため利便性が高まります。
さらに、これはオンラインショップ全般にいえることですが、顧客は立地や営業時間の制限なく商品を閲覧したり購入したりできるようになるため、顧客体験も向上します。
Instagramにも同じショップを公開できる
ショップを設定すると、FacebookだけでなくInstagramでも商品を展示し、販売できるようになります。
Facebookのビジネスページ、およびInstagramのビジネスアカウントを保有していれば、誰でもFacebookとInstagramでショップを公開することが可能です。FacebookとInstagramでのオンラインショップ公開を1ヶ所で行えることは、ビジネスにとって大きなメリットです。
インサイトでショップの分析ができる
Facebookショップでは、商品ごとに表示数やクリック数、ウィッシュリスト追加数などのデータを確認し分析することが可能です。「どの商品が人気か」「どの商品が購買行動に結びついたのか」といった分析を行うことで、効率良くショップ運営を改善することができます。
Facebookショップを活用するデメリット
Facebookショップを活用するにあたっては、知っておきたいデメリットも存在します。主な注意点を3つ紹介します。
・ECサイトへの誘導が必要
・ショップ開設に審査が必要
・出品できない商品もある
ECサイトへの誘導が必要
Facebookショップの特徴の一つとして、「FacebookやInstagramから直接購入できること」が挙げられます。米国版のFacebookではFacebookページ上で商品を直接購入することができるため、ECサイトへの遷移による機会損失を防げるというメリットがあります。
しかし、日本国内ではまだFacebook上での直接決済には対応していません(2023年1月現在)。日本国内でFacebookショップを展開する場合、実際に商品を購入してもらうには、Facebook外のサイト(ECサイトなど)に遷移して手続きをしてもらう必要があります。
米国版と比べるとシームレスさには劣りますが、ユーザーのECサイトを探す手間を省くことは可能です。将来的には、日本国内でもFacebook・Instagram内での決済が可能になるといった今後のアップデートに期待です。
ショップ開設に審査が必要
Facebookショップを開設するには、審査に通過する必要があります。とはいえ、審査といっても特別厳しいものではなく、基本的には、次の条件をクリアしていればショップを開設することが可能です。
・Facebookページを所有するビジネスマネージャの管理者であること
・同じビジネスマネージャでFacebookページとカタログを所有していること
・Facebookページ名に誤解を招く表現を用いていないこと
・コマースポリシーに違反していないこと など
出品できない商品もある
Facebookショップで販売する商品は、コマースポリシーに準拠している必要があります。下記は、Facebook・Instagramショップでの売買が禁止されている商品の代表例です。
・アルコール
・成人向け商品
・医療・ヘルスケア商品
・サービス・サブスクリプション
・有害な商品や危険物 など
参照元:コマースポリシー
たとえば、飲食店がFacebookショップを開設する場合、アルコール類を出品することはできません。商品を追加する際には、コマースポリシーに違反していないか確認するようにしましょう。
Facebookショップの使い方・開設方法
続いては、Facebookショップの基本の使い方やショップの開設方法についてわかりやすく解説します。
ショップページを追加する方法
まず、Facebookショップの設定は、「コマースマネージャ」というオンライン販売アクティビティ用のツールを使用して行います。また、ショップは既存のFacebookビジネスページと紐付けて設定しますので、アカウントを持っていない場合はあらかじめ作成しておくとスムーズです。
自社のFacebookビジネスページにショップを追加する手順は次のとおりです。
1. 「コマースアカウント」を設定する
2. コマースマネージャでショップ作成ページを開く
3. 「他のウェブサイトでチェックアウト」を選択する
4. 商品を掲載するFacebookビジネスページを選択する
5. ビジネス用メールアドレスを入力する
6. 「新しいカタログを作成」を選択する
7. 販売契約の同意書を確認し「設定を終了」をクリックする
ここまでで登録したショップの内容についての審査を通過すると、審査結果が届きます。審査に合格すると、ショップに商品を追加できるようになります。
ショップに商品を登録する方法
ショップの審査に通ったら、次はショップに商品を登録しましょう。商品の登録は、「Facebookカタログ」を作成して行います。具体的な手順は次のとおりです。
1. Facebookのビジネスマネージャを開く
2. 「アセット」内にある「カタログ」をクリックする
3. カタログマネージャで「カタログを作成」を選択し、「Eコマース」をクリックする
4. 「商品情報をアップロードする」をクリックする
5. カタログの所有者とカタログ名を入力する
6. 商品を選択し、「商品を追加」をクリックする
上記の手順でカタログを作成すると、タイトルや商品画像、説明、価格、バリエーションなど、商品情報を追加したり管理したりできるようになります。なお、公式では、複数のカタログを作成するのではなく、一つのカタログにすべての商品を追加することが推奨されています。
作成したカタログは、FacebookとInstagramのショップ、およびFacebook広告で活用することができます。
Facebookショップの活用事例
ここでは、Facebookショップを活用している企業の事例を2つ紹介します。
Nespresso USA
まず紹介するのは、Nespresso USAのFacebookショップ活用事例です。
Nespresso USAは、写真や動画を活用した通常投稿と合わせて、Facebookショップを展開しています。コーヒーカプセルやコーヒーマシン、マグなどさまざまな商品の販売を行っています。
実際に商品をクリックすると、商品の詳細や同ショップ内の他のおすすめアイテムなどを閲覧することが可能です。また、Nespresso USAのFacebookページに「メッセージを送信」というアクションボタンを設置し、商品やブランドに興味を持ったユーザーが気軽に問い合わせできるように工夫している点が伺えます。
クロックス・ジャパン
続いて紹介するのは、クロックス・ジャパン公式Facebookページです。クロックス・ジャパンは、Facebookショップページで定番商品からアクセサリー、ソックスまで、さまざまな商品を掲載しています。
Facebookページに「ショップを見る」のアクションボタンを設置し、ページを初めて訪れた人も手軽にショップを閲覧できるようにしています。さらに、ユーザーは気になる商品をタップするだけで、値段やカラー、サイズ展開などの詳細を確認することができます。
また、通常の投稿では、紹介している商品に情報をタグ付けし、気になる商品の詳細を気軽にチェックできるように工夫していることも特徴です。
投稿に表示されている「クリックして商品を見る」をタップするとFacebookショップページへ、さらに「ウェブサイトを見る」をタップすれば、そのまま公式Webサイトに遷移してショッピングを楽しむことができます。
Facebookショップの活用のコツ
ここでは、Facebookショップを効果的に活用するためのコツを3つ紹介します。
・Facebook広告と併用する
・積極的にユーザーとコミュニケーションをとる
・丁寧なサポートを提供する
Facebook広告と併用する
Facebookショップは、Facebook広告と併用することでより多くのユーザーに向けて商品を宣伝できるようになります。
たとえば、商品タグ付き広告を作成すれば、Facebookショップで販売している特定の商品を宣伝できます。広告を見たユーザーは、商品タグをクリックして詳細ページを確認することが可能です。
また、Facebook広告では、Facebookショップで作成したカタログを使って広告を出稿できるため、新たに広告クリエイティブを作成する手間もかかりません。
積極的にユーザーとコミュニケーションを取る
Facebookショップを活用するにあたっては、「ECビジネスをSNS(Facebook・Instagram)上で展開できる」という特性を活かし、ユーザーと積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。
自社商品を一方的に宣伝するのではなく、ユーザーと交流しつつ商品に興味を持ってもらい、最終的にFacebookショップから自社ECサイトへと自然に誘導するような運用が理想的です。
たとえば、飲食店のFacebookショップなら、商品がどのように届くのかを動画で紹介したり、商品のおすすめの楽しみ方を伝えたり、ユーザーによる商品レビューをリポストしてシェアしたりするなど、SNSならではの発信ができると良いでしょう。
丁寧なサポートを提供する
Facebookショップでは、ユーザーはMessenger(Facebookユーザー同士がリアルタイムにチャットのやり取りができるアプリ)を使って気軽に商品について問い合わせをすることができます。
そこで大切なのが、ユーザーからの問い合わせに迅速に対応し、丁寧なサポートを提供することです。これは実店舗やECサイトにも共通していえることですが、問い合わせや質問に真摯に対応することで、お客さんに好印象を与えることができます。
Facebookショップの「メールや電話などと比べて問い合わせのハードルが低い」というメリットを存分に活かすためにも、ユーザーからの問い合わせや商品に関するコメントやリアクションなどには丁寧に対応することを心がけましょう。
顧客接点の強化には「常連コボットforLINE」がおすすめ
顧客接点の強化には、当社ディップ株式会社が提供する「常連コボットforLINE」の利用がおすすめです。
常連コボットforLINEは、LINEミニアプリで常連客獲得につなげるポイントカードサービスです。国内最大級のコミュニケーションアプリであるLINEで会員証を即時発行し、来店、1日1回のログイン、友だち紹介でポイントを付与することができます。
ポイントがどんどん貯まる仕組みになっているため、効果的に再来店を促進できることはもちろん、毎日ログインしてもらうことでお店をブランディングしたり、友だち紹介を促すことで口コミにより常連客を獲得したりすることも期待できます。
また、常連コボットforLINEでは、貯まったポイントはクーポンと交換することができるため、再来店のさらなる動機づくりにつなげることが可能です。
「お店での常連客獲得に悩んでいる」「顧客とオンライン接点を築き、集客に役立てたい」などという店舗経営者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
Facebookショップの概要や活用メリット・デメリット、海外での活用事例などを紹介しました。
Facebookショップ機能を使えば、誰でも簡単にFacebookページ上にオンラインショップを開設することができます。また、ショップを同時にInstagramでも公開できることもあり、「オンラインで顧客接点を拡大し、購買行動へとつなげたい」という店舗経営者の方にぴったりのサービスです。 今回お伝えしたことを参考に、Facebookショップの開設を検討してみてはいかがでしょうか?